「また買ってる……でも止められない」
そんな風に、身近な人の“過剰な通販利用”に戸惑ったことはありませんか?
私の友人もある日、こう話してくれました。
「母が通販でモノを買い続けてて、家の中が段ボールだらけ。見ていて心配になる」
通販依存という言葉を聞くと、つい「浪費癖」「自己管理の問題」と片づけてしまいがちですが、実はその背景には心の孤独や満たされない気持ちが潜んでいることも多いのです。
この記事では、なぜ人は通販に依存するのか? その心理的な背景と、やさしく向き合うためのヒントをお届けします。
結論:通販依存は「モノ」ではなく「心のつながり」を求める行動かもしれない
必要のないものを繰り返し買ってしまう行動の裏には、「退屈を埋めたい」「誰かとつながりたい」「安心感が欲しい」といった感情の不足が隠れていることがあります。
つまり、依存の対象は商品ではなく、「安心できる心の刺激」なのかもしれません。
なぜ通販にハマってしまうのか?──背景にある“心の渇き”
友人のお母さんは、朝から晩までテレビ通販を見て、次々に商品を注文していたそうです。
よく聞いてみると、こんな特徴がありました。
- 外出する機会が少ない
- 友人や趣味のつながりが減ってきた
- 会話の機会が少なく、日中はほとんど独り
そのような生活の中で、通販番組は「話しかけてくれる存在」になっていたのかもしれません。
実際、通販には「安心」「共感」「解決策」をテンポよく与えてくれる構造があります。
こうした“疑似的な会話”を求めて、買い物に走ってしまう人も少なくありません。
無理にやめさせるのではなく、“心の居場所”を提案する
私が友人に伝えたのは、「買い物を否定するより、まず話を聞いてみて」ということ。
そして、こんな提案もしました:
- 一緒に近所を散歩してみる
- 興味を持ちそうなイベントに誘ってみる
- 昔好きだったことをもう一度一緒に試してみる
つまり、「モノを買わなくても心が満たされる時間」を少しずつ増やしていくのです。
こうしたゆるやかな関わりは、通販への依存を少しずつ和らげる第一歩になるかもしれません。
“物欲の正体”は、満たされない何かのサインかもしれない
買い物の衝動の背景には、以下のような感情が隠れていることがあります。
- 孤独感
- 不安・焦り
- 退屈
- 自分を認めてほしいという承認欲求
つまり、「欲しい」の奥には「感じてほしい気持ち」や「寄り添ってほしい感情」があるのです。
実際に、ギャンブル依存や買い物依存などの行動も、「心の不足」を埋める一つの手段として語られることがあります(関連: ギャンブルの還元率と依存の仕組み)。
おすすめの1冊:心を満たす視点を取り戻すヒント
この本の著者は、自身の“物欲過多”に悩んでいた過去をふまえながら、こんな提案をしてくれます。
- 「欲しい」と思ったら、まずノートに書いてみる
- 誰かのために動くことで、自分の心が自然に満たされる
- 空を見上げる、景色を味わう。そんな時間を増やす
印象的なのは、「断捨離」や「節約」ではなく、“なぜ欲しくなるのか”を自分に問いかける思考法に焦点を当てていること。
物欲だけでなく、日常のモヤモヤにも気づきと癒しを与えてくれる一冊です。
まとめ:モノの裏にある「気持ち」を見つめてみよう
通販や買い物にハマる人を見たとき、つい「なんでそんなに?」と思ってしまうかもしれません。
でも、その裏には誰にも見えない“心の渇き”があるのかもしれません。
- 欲しいのは、モノではなく心のつながり
- 大事なのは、否定ではなく「話を聞くこと」
- 買い物以外にも、心を満たす方法はたくさんある
そしてそれは、私たち自身にも当てはまる問いです。
「なぜ今、これが欲しいと感じるのか?」
その問いを通して、モノではなく心と向き合う時間を持つことが、より豊かな毎日につながっていくのかもしれません。