扇子の起源と歴史とは?名前の由来、日本への伝来と発展、広めた人物まで徹底解説

扇子の歴史

日本の夏といえば、浴衣に風鈴、そして欠かせないのが「扇子」。
折りたたんで持ち運べる便利さに、美しい絵柄や香りが添えられた扇子は、実用品でありながら芸術品としても評価されています。

でも、ふと気になりませんか?
「扇子ってどこから来たの?」「いつから日本で使われていたの?」――この記事では、そんな疑問に答えるべく、扇子の起源から発展、名前の由来、そして誰が広めたのかまでをわかりやすく解説します。

スポンサーリンク

結論:扇子は日本で発明され、世界に広まった折りたたみ文化の象徴

扇子の原型は古代中国の「団扇(うちわ)」にありますが、現在のような折りたたみ式の扇子は日本独自の発明です。
その後、日本文化の中で発展し、明治以降には世界に広まりました。

スポンサーリンク

扇子の前身:うちわの歴史と伝来

「扇子」の話をする前に、その前身である「うちわ」に触れておきましょう。
うちわはもともと紀元前の中国で祭祀や儀式に使われていた道具で、日本には弥生時代以前に伝わったとされます。
柄のついた非折りたたみ式の道具で、貴族から庶民へと用途が広がっていきました。

👉 うちわは中国から伝わった?いつからある?名前の由来は?うちわの起源と歴史をわかりやすく解説します

日本発祥!扇子の誕生と進化

うちわに対し、「扇子」は日本で平安時代に発明されたとされます。
木簡を束ねて折り畳むようにした「檜扇(ひおうぎ)」がその原型で、もとは記録用具でしたが、次第に風を送る実用品としても使われるようになりました。

  • 平安時代:宮廷での装飾・儀式に使われ、『枕草子』『源氏物語』にも登場
  • 鎌倉時代:武士が戦場で合図に使う「軍扇」として活用
  • 室町~江戸時代:装飾美が高まり、庶民にも普及。浮世絵や舞踊に登場

👉 3分でわかる!日本の夏はいつから?暦・気象・体感の違いと季節の移ろいを解説

名前の由来:「扇(あおぐ)」+「子(こもの)」

「扇子」という言葉は、「風を起こす道具=扇」と、「小さくて持ち運びやすいもの=子(し)」の組み合わせです。
江戸時代には「絵扇子」「紙扇子」など、用途やデザインのバリエーションが豊富になりました。

扇子を世界に広めた人物:渋沢栄一の功績

明治時代、日本の近代化とともに扇子も輸出品として注目されました。
その立役者の一人が、実業家の渋沢栄一です。

彼は1873年、東京・日本橋の伊場仁商店の経営近代化に関わり、扇子の大量生産体制と国内外への販路拡大を実現。
ゼロからの創業ではありませんが、扇子産業の近代化と世界普及に大きく貢献した中心人物であることは間違いありません。

現代の扇子文化と産地

現在でも、扇子は京都・丸亀・高山などの伝統工芸品産地で作られています。
舞扇、香り付き扇子、紙・布・竹の組み合わせなど、多様なバリエーションがあり、茶道や踊り、そして日常の涼を取る道具として愛用されています。

デジタルな時代だからこそ、手で風を生むというアナログの美しさが見直されています。

まとめ:折りたたみの知恵が生んだ、日本の美意識の結晶

扇子は、古代中国の文化を受け継ぎながらも、日本人の生活と美意識の中で進化した独自の文化です。
その機能性、装飾性、そして折りたたむという構造美は、まさに日本の知恵の結晶といえるでしょう。

この夏、ただ涼むだけでなく、「文化を手にする」という気持ちで扇子を広げてみてはいかがでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました