「SPF50」「PA++++」って結局どれが一番いいの?
そう思いながら、なんとなく数字が高いものを選んでいませんか?
実はこの“SPF”と“PA”は、紫外線の種類や肌への影響によって目的がまったく異なるんです。
この記事では、日焼け止めの数値の本当の意味や、シーン別の使い分け方、よくある誤解まで、わかりやすく解説します。
結論:SPFとPAは「防ぐ紫外線の種類」が違う
- SPF(Sun Protection Factor):肌を赤く炎症させる紫外線B波(UVB)の防止効果を表す
- PA(Protection Grade of UVA):肌を黒くし老化を進める紫外線A波(UVA)の防止効果を表す
つまり、SPFは“焼ける”のを防ぎ、PAは“老ける”のを防ぐ指標。
数字や「+」の数が高ければ良いというわけではなく、使う場面や時間に合ったものを選ぶことが重要です。
紫外線には2種類ある
- UVB(B波)
- 肌表面に炎症を起こし、ヒリヒリ赤くなる「サンバーン」の主因
- 強いダメージで皮膚がんリスクも
- UVA(A波)
- 肌の奥深く(真皮)に届いてコラーゲンを破壊
- シミ・しわ・たるみなど「光老化」の原因に
これら紫外線が肌に与える反応については、
👉 日焼けの仕組みを完全解説|なぜ肌が赤くなり黒くなるのか?
で詳しくまとめています。
SPFは“UVB”対策|数値は「時間の目安」
SPFは「日焼けが始まるまでの時間を何倍に引き延ばせるか」の指標です。
- SPF10 → 20分×10=約200分(約3時間)
- SPF50 → 20分×50=約1,000分(約16時間)
日本化粧品工業連合会の基準では、最大値はSPF50+(50以上)。
50以上の効果が確認された製品でも「SPF50+」と表示されます。
※実際は汗・皮脂・摩擦で落ちるため、2〜3時間ごとの塗り直しが必須です。
PAは“UVA”対策|「+」の数で強さを示す
PAはUVAをどれだけ防げるかの目安で、効果は以下の4段階:
- PA+:UVA防御効果がある
- PA++:かなりある
- PA+++:非常にある
- PA++++:極めて高い効果がある(2013年から導入)
UVAは曇りや窓ガラスも透過するため、室内や車内でも対策が必要です。
👉 曇り・室内でも日焼けする?見落としがちな紫外線リスクと徹底UV対策
SPF・PAの選び方|シーン別目安
- 通勤・買い物など日常生活
- SPF10〜20/PA++程度で十分
- 屋外レジャーやスポーツ
- SPF30〜40/PA+++
- 海・登山・長時間の強い日差し
- SPF50+/PA++++推奨
👉 紫外線のピークはいつ?季節別UV対策と効果的な紫外線防御法
で、季節ごとの紫外線の強さも確認できます。
正しい使い方|塗るだけじゃ不十分!
- 塗り直しが命:2〜3時間ごとに再塗布
- 量は多めに:1回に1g(パール2個分)以上が理想
- 忘れがちな部位にも:耳・首・手の甲・足の甲など
- 目の紫外線もカット:
👉 運転に最適なサングラスの色は?
日本と海外の表示基準の違い
- SPF・PAは日本(アジア)独自の指標
- 欧米では「UVAロゴ」「ブロードスペクトラム」表示が一般的
- 日本ではPA++++まで表示可能
- 一部の国では「星」や「%防御」表記も存在
国際旅行時には、製品表示の基準の違いにも注意が必要です。
よくある疑問Q&A
Q. SPFが高いものを毎日使っても大丈夫?
→ 肌に合っていれば問題なし。ただし、クレンジングが必要なタイプもあるので注意。
Q. 化粧下地やファンデにSPFがあれば、日焼け止めはいらない?
→ 重ねて使うと効果アップ。単体では量が不足しがちなので、専用の日焼け止めも併用推奨。
Q. 敏感肌でも使えるSPF・PAの目安は?
→ なるべくノンケミカル(紫外線散乱剤)タイプのSPF20〜30/PA++がおすすめ。
まとめ
- SPFは赤くなる日焼け(UVB)を防ぐ時間の指標
- PAはシミ・しわを防ぐ老化対策(UVA)
- 数値が高ければ万能ではなく、使い分けがカギ
- 室内や曇りの日も紫外線は届く
- 正しい量と塗り直しが超重要!
紫外線対策は、将来の肌を守る“先行投資”です。
肌質や生活スタイルに合ったUVケアを今日から始めてみましょう。