春の七草とは?由来・意味・なぜ7種類なのかをわかりやすく解説

春の七草の語源

お正月が明けた1月7日、七草粥(ななくさがゆ)を食べる風習があります。お正月料理で疲れた胃を休める行事食として知られていますが、実はその背景には長い歴史と深い意味が込められています。

この記事では、春の七草の名前や由来、7種類に込められた意味、そして七草粥の文化的背景までをわかりやすく解説します。

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春の七草とは?

春の七草とは、以下の7種類の若菜を指します。

名前特徴
セリ香り高くビタミン・ミネラルが豊富。食欲増進に役立つ
ナズナ(ぺんぺん草)古くから薬草として利用され、血液を整えるとされる
ゴギョウ(ハハコグサ)咳や痰を鎮める効果があると伝えられる
ハコベラ(ハコベ)ビタミンCが豊富で歯茎の健康に良いとされる
ホトケノザ(コオニタビラコ)整腸作用があると伝えられる
スズナ(かぶ)食物繊維・ビタミンが豊富な根菜
スズシロ(だいこん)消化促進・胃腸を整える効果

これらの若菜を刻んでお粥に入れて食べるのが「七草粥」です。無病息災・五穀豊穣を祈る意味に加え、お正月料理で酷使した胃腸を休ませる役割も果たしています。

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なぜ「七草」なの?数字の「7」に込められた意味

「なぜ7種類なのか?」という疑問には、いくつかの説があります。

  • 中国の古典『礼記』の「七種菜羹(しちしゅさいこう)」が起源
    古代中国では新年に7種の野菜を食べる風習がありました。
  • 仏教における「7」は吉祥数
    七難即滅・七福神など、縁起の良い数字とされる。
  • 日本の縁起文化にも「7」が多数登場
    七福神・七草・七つ道具など、豊かさや繁栄を象徴。

つまり、7という数字には健康・繁栄・幸福への願いが古代から重ねられてきたのです。

七草の歴史はいつから始まったのか?

七草粥の風習は、平安時代の宮中行事にまでさかのぼります。

  • 平安時代の高僧・良源(りょうげん)が『七草粥記』にその効能を記録
  • 当時の七草は現在とは若干異なっていた可能性も
  • 江戸時代に入ると本草学者・貝原益軒の『大和本草』で現代の七草が整理され普及

江戸時代には庶民にも広がり、現在の七草粥文化が定着しました。

七草粥はいつ食べる?

七草粥は、毎年1月7日(人日の節句)の朝に食べます。

  • 人日の節句は中国の五節句のひとつに由来
  • 日本では平安時代から宮中行事として行われる

五節句の全体像を知りたい方は
日本の五節句とは?由来と意味、行事内容をわかりやすく解説
もあわせてご覧ください。

七草粥に込められた意味とは?

七草粥は単なる胃腸を休める料理以上に、様々な意味が込められています。

  • お正月の暴飲暴食をリセット
  • 新年の無病息災を祈願
  • 自然の生命力を体内に取り入れる
  • 邪気祓い・健康長寿の願掛け

また、七草を唱えながら刻む「七草囃子(ななくさばやし)」という伝統的な唱え言葉も残されています。

七草なずな 唐土の鳥が 日本の土地へ 渡らぬ先に ストトントン

昔の人々の遊び心が感じられる文化でもあります。

忙しい現代におすすめの七草セット

「7種類の野草を揃えるのは大変…」という方には、手軽なフリーズドライやパック済みの七草セットも便利です。

お湯を注ぐだけで本格的な七草粥の風味が楽しめます。

七草粥と日本文化のつながり

七草粥は、四季の移ろいを大切にする日本文化の象徴でもあります。

  • 自然との調和を大切にする暮らしの知恵
  • 家族の無病息災・健康長寿を願う祈り
  • 長く続く宮中行事から庶民文化への広がり

こうした背景を知ることで、七草粥はより一層味わい深い行事食になります。

日本の成長祝い文化としては
七五三の意味・由来・起源・歴史をわかりやすく解説
も関連して参考になります。

まとめ

  • 春の七草は、1月7日(人日の節句)に無病息災を祈って食べる行事食
  • セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの7種類
  • 7という数字には古代中国や仏教、日本文化での吉祥的意味がある
  • 平安〜江戸時代を経て現代まで続く日本独自の風習
  • 食文化の面でも、自然との共生・感謝・健康祈願が込められている

今年の1月7日には、千年の歴史を感じながら七草粥を味わってみませんか?

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