春になると和菓子屋さんやスーパーで目にする「三色団子」。
ピンク・白・緑の優しい配色が特徴で、お花見や春の行楽にも定番のお菓子ですよね。
でも、「この3色にはどんな意味があるの?」「なぜこの順番?」と疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、三色団子に込められた色や順番の意味、歴史、そして春の日本文化との関係まで、わかりやすく解説します。
三色団子を知れば、日本人の美意識や季節感の奥深さがきっともっと好きになりますよ。
結論:三色団子は「春の自然と四季の移ろい」を表す和菓子
- ピンク・白・緑は、桜の開花と自然の変化を表す色
- 串に刺す順番にも「春の移ろい」をなぞらえた意味がある
- 平安時代からの長い歴史と、現代でも親しまれる文化的価値がある
三色団子の色に込められた意味
三色団子は、ただカラフルでかわいいだけではありません。それぞれの色には、日本人の自然観や文化的な意味が深く込められています。
ピンク(赤系)
- 桜のつぼみや開花を象徴
- 春の始まり、生命の息吹、愛情、魔除けなどの意味も
ピンクは、日本の春を代表する桜の色。お祝いごとの定番色でもあります。
春の桜に込められた日本人の想いは、桜の花はなぜすぐ散るのかという記事でも詳しく解説しています。
白
- 満開の桜の風景や、雪の名残
- 清らかさ・純粋さ・神聖さを象徴
白は神事にも用いられる色で、新たな始まりを祝う意味もあります。
緑
- 春の終わりから初夏にかけての新緑
- 自然の再生、健康、長寿、繁栄の願いを込めて
自然の中で芽吹く草木の色として、再生や成長の象徴です。
色の順番にも意味がある?
伝統的な三色団子は、串に ピンク → 白 → 緑 の順で刺さっています。
この順番は以下のような自然の流れを表していると言われています。
色 | 季節の象徴 |
---|---|
ピンク | 春の始まり(桜のつぼみ) |
白 | 桜の満開(春の盛り) |
緑 | 桜の散った後の新緑(初夏) |
つまり、「春のはじまりから初夏への移ろい」を表しているのです。
他にも、「人生の三段階」や「家族の絆」といった寓意を持つという説もあります。
三色団子の歴史と由来
平安時代にルーツがある
三色団子の起源は平安時代にまでさかのぼるとされています。
- 宮中の儀式で季節の移ろいを表す菓子として登場
- 色と形に吉兆や四季の意味を込める文化が背景に
江戸時代に庶民へ広がった
江戸時代には花見文化が庶民の間にも定着し、三色団子が花見のお供として広く親しまれるようになりました。
桜の花見は世界共通?という記事でも、江戸時代に花見文化がどう広がったか解説しています。
この頃に、現在のような三色で串に刺すスタイルが一般化したとされています。
現代でも「春の定番」として愛される
三色団子は今でも、春の象徴的な和菓子として活躍しています。
- 花見・行楽・入学祝いなど春のイベントにぴったり
- スターバックスなどで三色団子風のドリンクも登場
- 雑貨やマグネットなどのモチーフとしても人気
紅白饅頭の意味と由来や
かしわ餅の由来と食べる時期といった日本の祝い菓子も合わせて読むと、日本の食文化の理解が深まります。
さらに、中秋の名月には団子を供える風習がありますが、
その意味は お月見で団子を供える理由 にも詳しくまとめています。
まとめ
三色団子はただの春スイーツではありません。そこには日本人の季節感や自然へのまなざし、祝いの文化が深く根付いています。
- ピンク・白・緑の順は春から初夏への自然の移ろいを表す
- 平安時代からの歴史をもち、江戸時代に庶民に広がった
- 今なお花見や春の行事に欠かせない、日本文化を映す存在
一串の団子に込められた意味を知ると、次に手に取ったときの味わいもきっと違って感じられるはずです。