ウォータージェットは、高圧の水を非常に細い噴流にして対象物を切断する技術です。その切断力の高さから、金属、石材、ガラス、セラミックなど、幅広い材料の加工に用いられています。ここでは、ウォータージェットの仕組みと切断力、そして研磨剤を添加することでさらに硬い材料も切断できることを解説します。
ウォータージェットの基本的な仕組み
ウォータージェットは、高圧ポンプで水を加圧し、非常に小さなノズルから噴射することで細い水流を作り出します。この水流が毎秒数百メートルの速度で対象物に当たることで、材料を切断していきます。切断に使用する水の圧力は、200MPa以上にもなります。
ウォータージェットの切断力
ウォータージェットは、以下のような幅広い材料を切断することができます。
- ステンレス鋼、アルミニウム、チタンなどの金属
- 大理石、御影石、花崗岩などの石材
- ガラス、セラミック
- プラスチック、ゴム
- 複合材料(CFRP、GFRPなど)
材料の硬さや厚みによって切断速度は異なりますが、数十mmの厚みの金属や石材でも切断が可能です。
研磨剤の添加でさらに硬い材料も切断可能に
ウォータージェットに研磨剤を添加することで、さらに硬い材料も切断できるようになります。一般的には、ガーネットなどの研磨剤を水に混ぜて使用します。研磨剤入りのウォータージェットは、アブレシブウォータージェットと呼ばれ、以下のような材料の切断に用いられます。
- 焼入れ鋼、工具鋼などの高硬度金属
- セラミックス、タイル
- 厚い石材(40mm以上)
- 複合材料(アラミド繊維強化プラスチックなど)
アブレシブウォータージェットは、研磨剤の硬さと水流の速度を組み合わせることで、非常に高い切断力を発揮します。
まとめ
ウォータージェットは、高圧の水を細い噴流にして材料を切断する技術で、金属や石材など幅広い材料の加工に用いられています。さらに研磨剤を添加したアブレシブウォータージェットは、高硬度の金属やセラミックスなど、非常に硬い材料の切断も可能にします。今後も、ウォータージェット技術の発展により、さらに多様な材料の加工への応用が期待されます。