お正月になると玄関先や門の前に飾られる門松。竹と松で作られたこの縁起物、なんとなく毎年目にしているけれど、「なぜ竹なの?」「どうして飾るの?」と気になったことはありませんか?
この記事では、門松に込められた意味やその起源、竹を使う理由、そして飾るタイミングと注意点までをわかりやすく解説します。
門松とは?その由来と意味
門松は、新年に訪れる「年神様(としがみさま)」を家に迎え入れるための目印として飾られる正月飾りです。
平安時代には貴族の邸宅に松を飾る風習があり、それが時代を経て、江戸時代には現在の「竹と松」を組み合わせた門松の形に変わって庶民にも広まりました。
門松は、神様が降りてくる依り代(よりしろ)とされており、「この家は新年を迎える準備が整っていますよ」と伝えるサインでもあるのです。
竹を使う理由とは?
門松の象徴ともいえる竹には、以下のような意味が込められています:
- まっすぐに伸びる生命力の象徴
- 節目があり、成長の区切りを表す
- 常緑で一年中緑を保つ=不変の繁栄
- 天に向かって伸びる姿が神様を迎える導線となる
こうした理由から、竹は正月の縁起物として最適な素材とされてきました。
その他の素材が持つ意味
門松は竹だけでなく、他の素材にも意味があります。
- 松:長寿と不老不死の象徴。神様が宿る木とも言われます。
- ワラ(しめ縄や根元の装飾):豊作や実りを意味し、魔除けの役割も。
門松、鏡餅、しめ飾りはすべて年神様を迎えるためのセットです。たとえば「鏡餅の意味と飾り方」を知ると、それぞれの役割がよりはっきり見えてきます。
門松を飾る時期とマナー
飾るベストタイミング
- 12月28日頃:末広がりの「8」が縁起が良いとされ、最もおすすめ。
- 12月29日:語呂が「苦」に通じるため避けられる。
- 12月31日:一夜飾りとされ、年神様に失礼とされることも。
片付けの時期
地域によって異なりますが、一般的には以下の期間に片付けます。
- 1月7日まで(関東地方)
- 1月15日まで(関西地方など松の内が長い地域)
門松の基本的な形と種類
基本の構造
- 斜めに切った竹(3本)
- 松の枝
- ワラ縄などで束ねる
- 左右一対で玄関の両脇に設置
現代のバリエーション
- 本格的な大型門松:企業や神社で見られる
- 一般家庭用の中サイズ
- 玄関先用のミニ門松:プラスチック製など手軽に飾れるものも人気
設置場所と注意点
設置場所
- 一戸建て:門の両側 or 玄関両脇
- マンション:玄関の横やエントランスに小型タイプを置くのが一般的
飾るときの注意点
- 左右の向きやバランスに注意
- 安定した場所に置く
- 通行の邪魔にならない配置を心がける
- 近くに火の気がないようにする
門松と年末年始の風習との関係
門松は単体で意味を持つだけでなく、大掃除や除夜の鐘など年末年始の一連の行事と連動した存在でもあります。
たとえば、
このように、門松は“飾り”であると同時に、新年の神様を迎える一連の信仰文化の象徴なのです。
まとめ
門松は、年神様を迎えるための神聖な飾りであり、竹には「成長」や「生命力」の象徴としての意味が込められています。
飾るタイミングや場所、素材の意味を知ることで、何気なく置いていた門松がぐっと深い意味を持った存在に変わります。
現代ではミニサイズの手軽な門松も多く、マンション住まいの方でも気軽に飾ることができます。新年を迎える大切な節目として、ぜひ取り入れてみてください。