「震度6」と聞くと、思わず身構えてしまいますよね。
でも「震度5とはどのくらい違うの?」「たった1段階の違いで、そんなに影響が変わるの?」と感じたことはありませんか?
実際には、震度6と震度5のあいだには想像以上に大きな差があります。
この記事では、揺れの強さ・被害の規模・エネルギーの違いなどを、わかりやすく丁寧に解説します。
この記事を読むと、「震度6ってどのくらいヤバいのか?」が直感的に理解でき、いざというときの備えにも役立ちます。
結論:震度6は震度5とは「別次元」レベルの揺れ
震度6と震度5の差は、「ちょっと強い」ではなく「まったく別物」。
震度5では物が落ちる程度ですが、震度6になると家具が飛び、建物の倒壊リスクも現実的になります。
特に震度6強になると、自力で立っていられないほどの激しい揺れが続き、日常生活どころか「命を守る行動」が必要な状況になります。
震度5と震度6、それぞれの特徴とは?
気象庁の震度階級をもとに、それぞれの震度の特徴を見てみましょう。
震度5弱・5強の特徴
- 震度5弱
- 吊り下げた照明や棚が大きく揺れる
- 棚の上の物が落ちる
- 一部の窓ガラスが割れることも
- 不安を感じる人が多いが、落ち着いて行動できるレベル
- 震度5強
- 家具が移動したり、転倒したりする
- 建物に軽微な被害(ひび、外壁の崩れなど)が出ることも
- 高架道路の揺れや交通機関の停止が起きる可能性
震度6弱・6強の特徴
- 震度6弱
- 多くの家具が倒れる
- 室内のほとんどのものが落下
- 耐震性の低い建物では壁の崩落や倒壊の危険がある
- 自力で立つのが難しく、身の安全を確保する行動が必須
- 震度6強
- 人が立っていられない・動けないほどの強い揺れ
- 多くの住宅が倒壊、火災が発生する恐れも
- 地盤の液状化や土砂崩れ、津波の二次災害にも注意
エネルギー量の違いは?
「震度」は体感・地域ごとの揺れの強さを示す指標ですが、地震そのもののエネルギーは「マグニチュード(M)」で表されます。
ここで重要なのが、マグニチュードが1上がると、地震エネルギーは約32倍になるということです。
- M5 → M6:32倍
- M6 → M7:さらに32倍(累積で1024倍)
つまり、マグニチュード1の差は桁違いのエネルギー差を意味します。
そして、震度もおおむねこれに連動するため、震度6と震度5では揺れの規模も被害の規模もまったく違うと理解するべきです。
よくある疑問を解消!
Q.「震度5強」で避難する必要はある?
状況によります。
震度5強では建物の損傷が軽微な場合も多いですが、ガス漏れ、落下物、電線の断線など二次災害のリスクがあるため、注意が必要です。
余震が続くようであれば、屋外への避難も視野に。
Q.「震度6弱」と「震度6強」はどう違う?
「震度6弱」では、まだ家具の間をかいくぐって避難できる可能性がありますが、「震度6強」では転倒や移動すら困難です。
家具固定の有無や建物の構造次第で、被害の差は非常に大きくなります。
Q.「震度6」で倒壊しない家はあるの?
耐震基準を満たした建物であれば、倒壊を免れる可能性が高いです。
2000年以降の新耐震基準に基づいて建てられた住宅は、震度6~7でも即倒壊しない設計がされています。
実際の被害事例から見る差
地震名 | 最大震度 | 建物被害 | 死者数 |
---|---|---|---|
熊本地震(2016) | 震度7 | 約8万棟に被害 | 273人 |
能登半島地震(2024) | 震度6強 | 約3万棟に被害 | 245人 |
千葉県東方沖地震(2021) | 震度5強 | 一部ガラス破損、軽微な被害 | 0人 |
震度6以上になると、命に関わる被害が現実のものとなることがわかります。
まとめ
震度5と震度6のあいだには、単なる「数値の差」ではなく、日常と非日常を分けるほどの現実的な差があります。
- 震度5強までは多くが「驚き」で済む
- 震度6弱からは「命を守る行動」が必須
- 震度6強では倒壊・火災・二次災害も覚悟
そして、地震の規模を表すマグニチュードは1上がるごとにエネルギーが32倍になるため、「たった1の差」が命運を分けることもあるのです。
日頃から、家具の固定、非常用持ち出し袋の準備、避難経路の確認など、「備える習慣」を意識しておきましょう。