暑くなると食べたくなるアイスクリーム。でもふと考えると、「そもそもアイスってどこで生まれたの?」「いつから日本にあるの?」なんて疑問が浮かぶことはありませんか?
実はアイスクリームの歴史は紀元前から続く驚くほど長い物語なんです。
この記事では、
- アイスの起源はどこの国か?
- クリーミーなアイスの原型はどこで誕生したのか?
- 日本人が初めて食べたのはいつ?
- 現代のように普及したのはいつから?
といったポイントを、わかりやすく整理してお届けします。
結論:起源は古代中国とローマ、現代アイスはイタリア発、日本には幕末に伝来
- 「冷たい甘味」のルーツは紀元前の中国やローマ帝国
- 乳製品ベースの現代的アイスは16世紀のイタリアで誕生
- 日本で初めて食べたのは1860年の咸臨丸の使節団
- 初の市販アイスは1869年の「氷水屋」
- 20世紀に入り、大衆スイーツとして定着
では、それぞれの時代を詳しく見ていきましょう。
古代から存在した「冷たい甘味」の起源
アイスクリームのルーツは、紀元前の中国や古代ローマにまでさかのぼります。
中国:果物×氷の冷製スイーツ
古代中国では、氷に果物や蜂蜜を加えた「冷やし菓子」が、貴族階級の贅沢品として親しまれていました。氷を貯蔵する技術が限られていたため、夏に冷たいものを食べること自体が特別な行為だったのです。
ローマ帝国:ネロ皇帝と山の雪
ローマ皇帝ネロ(在位:54–68年)が、山から雪を運ばせて果汁をかけて食べたという逸話も有名です。
ただし、いずれも乳製品は使用されておらず、今のような「アイスクリーム」とは異なります。
それでも、「冷たさを楽しむ文化」の始まりとしては非常に重要です。
現代アイスクリームの誕生はイタリアから
現在私たちが食べているような「乳製品ベースで凍らせたアイス」が誕生したのは、16世紀のイタリアです。
カテリーナ・デ・メディチとフランス宮廷
1533年、イタリアの名門メディチ家の娘カテリーナが、フランス国王アンリ2世に嫁いだ際、
イタリアから冷菓のレシピを持ち込んだとされます。
これをきっかけに、フランス宮廷でアイスクリーム文化が広まり、上流階級の嗜みとしてヨーロッパ各国に拡散しました。
この時代、アイスはまだ「特別な人だけが味わえる高級品」だったのです。
なお、イタリアの冷菓文化から発展した「ジェラート」との違いが気になる方はこちらもどうぞ:
👉 ジェラートの起源はいつ?どこで生まれた?日本にはいつ伝わったの?アイスクリームとの違いは?
日本人が初めてアイスを食べたのは幕末
日本で初めてアイスクリームが記録に登場するのは、1860年(万延元年)。
咸臨丸と福澤諭吉
この年、勝海舟や福澤諭吉らが日米修好通商条約の批准のためにアメリカ・サンフランシスコを訪れた際、現地でアイスを初めて食べたと記録されています。
この体験が「日本人とアイスクリームの初接触」とされています。
日本初の市販アイスは「氷水屋」
1869年(明治2年)、町田房蔵が横浜・馬車道に開店した「氷水屋」で、日本初の市販アイスクリーム「アイスクリン」が誕生しました。
- 材料は:卵・牛乳・砂糖
- 味は:あっさり系で、シャーベットに近い食感
- 値段は:高価な贅沢品(庶民には手が届かず)
このアイスクリンが、日本におけるアイス販売の出発点となりました。
明治〜昭和でのアイスクリームの普及
明治〜大正期の企業参入
- 1919年:森永製菓(現・森永乳業)がアイスクリーム製造に着手
- 1925年:明治乳業も市場参入
製造技術の発展とともに、徐々に家庭にも浸透していきます。
戦後〜冷蔵技術の進化
戦後は、アメリカ文化の流入と冷蔵技術の発展によって、アイスは特別なものから「夏の日常のおやつ」に変化しました。
今では1年中楽しめる冷凍デザートとして、家庭の冷凍庫に常備される存在となっています。
現在では、「アイスクリーム」「ラクトアイス」など、種類によって定義や成分も違います。
👉 ラクトアイスとアイスクリームの違いを徹底比較!カロリー・太りやすさ・健康への影響も解説
歴史の重みを感じながら味わいたいアイス:ハーゲンダッツ
アイスの長い歴史を知ったあとに食べたくなるのが、「王道」のアイスクリーム。
- 創業:1961年、アメリカ・ニューヨーク
- 素材:世界各地の厳選原料
- 味わい:濃厚なのに滑らかな口溶け
- サイズ感:満足感はあるのに食べすぎない絶妙バランス
ちょっとした贅沢や贈り物にもぴったり。
歴史を感じながら味わう一口は、きっと格別です。
まとめ:アイスの一口に詰まった世界の歴史
- 起源:紀元前の中国・ローマで氷を使った冷菓文化が発祥
- 進化:16世紀イタリアで乳製品ベースのアイスが登場
- 伝来:1860年、咸臨丸の使節団が初体験
- 普及:明治〜昭和を経て、今では全国民のおやつに
アイスの一口には、国境を越え、世代を超えて受け継がれてきた文化の記憶が詰まっています。
この夏は、そのルーツにも思いをはせながら、お気に入りのアイスを楽しんでみてはいかがでしょうか?