「餅まき」と聞いて、懐かしい思い出がよみがえる方も多いのではないでしょうか。家の上棟式や神社の祭り、節分の豆まきと一緒に行われることもあり、「拾うと縁起がいい」と言われています。
でも、なぜ餅をまくのでしょう?しかも、なぜ紅白なのでしょう?
この記事では、餅まきの意味・由来・歴史、そして紅白の理由までをわかりやすく解説します。読み終える頃には、次に餅まきに参加するときの気持ちが変わるはずです。
結論:餅まきは「神様の恵みを分け合う」ための日本文化
餅まきは、神事や祝いの場で神様の加護や福を分かち合う日本独自の風習です。餅が紅白なのは、「生命力」と「清浄さ」を象徴する縁起色の組み合わせだからです。
餅まきとは何か?どんな場面で行われる?
餅まきとは、お祝い事の場で餅をまく日本の伝統行事です。家の新築や神社の祭事、結婚式、節分、運動会など幅広い場面で行われます。
特に有名なのが以下のシーンです:
- 上棟式(じょうとうしき)
- 新築の棟上げ時に、家の繁栄や安全を願って餅をまく
- 神社のお祭り
- 神様に奉納した餅を地域の人と分け合う意味
- 節分
- 豆まきと一緒に餅をまいて邪気を払う
こうした場で餅を拾うと「福が来る」と信じられています。
なぜ餅をまくのか?神様とのつながりが鍵
餅は古来、神様に捧げる「神聖な食べ物」とされてきました。神棚に鏡餅を飾る習慣もその一つです。
餅をまく=神様の恵みを天から降らせる
餅を拾う=神の加護を「授かる」
このように、餅まきは神様と人間をつなぐ儀式でもあるのです。
紅白の餅をまくことで「めでたさ」や「福」を強調し、参加者全員に幸せが訪れるように祈る意味が込められています。
餅まきの歴史:平安時代から続く行事
餅まきのルーツは、平安時代の宮中行事にさかのぼります。当時、貴族が年始に神様へ餅を供え、そのお下がりを皆で分けたのが始まりとされています。
さらに江戸時代には、歌舞伎役者が観客に餅をまく「舞台餅まき」が流行し、庶民にも浸透していきました。
この文化を広めた代表的な人物として知られるのが市川団十郎。餅まきを通じて役者と観客が一体になる演出が好まれ、各地の神社や町の行事にも取り入れられるようになったのです。
餅が紅白なのはなぜ?日本文化に根ざす「祝いの色」
紅白の色には、古来から以下の意味が込められています:
- 赤(紅):太陽・火・生命力・厄除け
- 白:浄化・神聖・清らかさ
この組み合わせは、「喜び+清らかさ」であり、災いを払い、良いことを呼び込む配色なのです。
「紅白まんじゅう」「紅白の幕」「紅白の水引」なども、同じ思想から生まれたものです。
紅白餅は、その思想の結晶ともいえる存在です。
餅まきと似た風習や、日本の信仰文化とのつながり
実は餅まきは、日本の信仰・祈願文化と密接に関わっています。例えば:
- 家を建てるときの上棟式では、屋根から餅をまくのが習わし
- 子どもの成長を願う初誕生の餅踏み(しょたんじょう)
- お盆・お彼岸の供物としての餅
こうした背景には、「食べ物を神様と分かち合うことで、家族や地域に幸運を呼ぶ」という考えが一貫しています。
その文脈では、神社とお寺の違いと参拝マナーの解説を知っておくと、行事参加時の理解も深まります。
自宅でも楽しめる餅まきセットも!
近年では、イベントや家庭用に餅まきの雰囲気を再現できるセットも人気です。
外でまくのは難しくても、家族で紅白餅を囲んで「まきごっこ」するだけでも楽しいですよ。
まとめ:餅まきは神様と福を分かち合う日本の知恵
餅まきは、神様の恵みを分け合い、人々に福を呼び込む日本独自の風習です。
- 神への供物=餅を人々にまくことでご利益を共有
- 平安・江戸から現代まで続く長い歴史
- 紅白の色にも意味がある
- 家族行事や神社祭りとのつながりが深い
こうした背景を知っているだけで、餅まきが何倍も楽しく、意味のある行事になります。