3分でわかる!白血病って何?症状・原因・治療法・生存率までわかりやすく解説

白血病の病室

「白血病」と聞くと、深刻な病気という印象を持つ方が多いかもしれません。
実際には、医療の進歩によって治療の選択肢が増え、予後も改善してきています。
この記事では、白血病の基本から、症状・原因・治療法・生存率までをやさしく解説します。

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白血病とは?

白血病は、「血液のがん」とも呼ばれ、白血球の細胞ががん化して異常に増える病気です。
白血球は、体内の細菌やウイルスと戦う大切な細胞ですが、がん化すると骨髄や血液中で増え続け、正常な血液細胞の働きを邪魔してしまいます。

その結果、貧血や感染症、出血など、さまざまな症状が起こるのです。

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白血病の種類

白血病は、「がん化する細胞の種類」と「進行のスピード」によって、主に次の4つに分類されます。

  • 急性骨髄性白血病(AML):骨髄の細胞が急激にがん化。進行が速く治療開始が急がれます
  • 慢性骨髄性白血病(CML):進行はゆっくりだが、無症状のまま進むことも多いタイプ
  • 急性リンパ性白血病(ALL):子どもに多いタイプ。治療で高い治癒率が期待されます
  • 慢性リンパ性白血病(CLL):高齢者に多く、進行が緩やかなタイプ

それぞれに症状や治療方針が異なるため、正確な診断がとても重要です。

白血病の主な症状

初期症状は風邪に似ていたり、はっきりと現れなかったりすることもあります。
進行に伴って、次のような症状がみられることがあります。

  • 疲れやすい・だるい
  • 発熱・感染症にかかりやすい
  • 出血しやすい(鼻血・あざ・歯ぐきの出血など)
  • 体重の減少
  • 骨や関節の痛み
  • リンパ節や肝臓・脾臓の腫れ

症状に気づかずに過ごしてしまうこともあるため、定期的な血液検査や健診が大切です。

白血病の原因と発症リスク

白血病のはっきりとした原因はわかっていませんが、以下のようなリスク因子が関係していると考えられています。

  • 放射線やベンゼンなど化学物質への被ばく
  • 喫煙
  • 遺伝的要因(家族歴、染色体異常など)
  • 他の血液疾患からの移行(例:骨髄異形成症候群)

ただし、これらの要因があっても必ず白血病になるわけではありません。多くは偶発的に発症します。

日本での発症頻度

日本では、白血病は年間およそ1万2千人が新たに診断される病気です。
小児がんの中では最も多く、小児がん全体の約3割を占めます。
成人の場合は、加齢とともに発症リスクが高まる傾向があります。

白血病は治る?生存率は?

白血病の生存率は、がんのタイプ・年齢・治療開始のタイミングなどによって大きく異なります。

目安としての「5年相対生存率(米国データ)」は以下のとおりです。

  • 急性骨髄性白血病(AML):約29%
  • 慢性骨髄性白血病(CML):約70%
  • 急性リンパ性白血病(ALL):小児で約90%、成人で約40%
  • 慢性リンパ性白血病(CLL):約85%

特に小児ALLでは近年、治癒率が大きく改善しており、適切な治療によって長期生存が期待できるケースが増えています。

白血病の治療法

治療法は、白血病のタイプ・進行度・年齢・全身状態に応じて異なります。主な方法は以下のとおりです。

  • 化学療法:抗がん剤でがん細胞を減らす。ほぼすべての白血病で基本となる治療
  • 造血幹細胞移植:正常な血液細胞をつくる細胞を移植し、根本的な治癒を目指す
  • 分子標的治療:がん細胞特有の異常を狙って治療する新しい薬
  • 免疫療法:免疫の力を使ってがん細胞を攻撃
  • 支持療法:発熱や感染を防ぐための対症療法(輸血・抗生物質など)

最近では、副作用を抑えながら効果を高める治療法の開発も進んでいます。

再発や長期管理について

白血病は、治療によって症状がなくなる「寛解(かんかい)」の状態を目指しますが、再発の可能性もあるため、治療後も定期的な通院や検査が欠かせません。

慢性白血病の中には、完治が難しくても治療を継続することで長期間安定した生活が送れるケースも多くなっています。

まとめ:白血病は早期発見と適切な治療がカギ

白血病は、白血球ががん化して増殖する血液のがんです。
ですが、早期発見と適切な治療によって長期生存や完治も十分に目指せる病気です。

  • 白血病は種類によって進行スピードや治療法が異なる
  • 初期症状は風邪に似ていて気づきにくいため、健診が重要
  • 治療は化学療法・移植・分子標的薬などが中心
  • 小児白血病では9割近い治癒率も
  • 治療後も再発予防のための継続的なフォローが必要

「白血病=治らない」ではなく、「早めに気づいて適切に治療すれば乗り越えられる」時代になりつつあります。
不安なときは一人で抱えず、まずは専門医に相談してみてください。

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