「中性脂肪は基準値なのに、脂肪肝と診断された…なぜ?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
健康診断で脂肪肝と指摘されると、多くの人が「中性脂肪が多い=脂肪肝」と考えがちです。でも実は、中性脂肪の値が正常でも、脂肪肝になるケースは珍しくありません。
この記事では、中性脂肪が正常でも脂肪肝になる理由・見逃されやすい原因・対処法をわかりやすく解説します。
結論:中性脂肪が正常でも、脂肪肝にはなります
脂肪肝は「肝臓に中性脂肪がたまりすぎている状態」ですが、血液中の中性脂肪値が正常でも、肝臓に脂肪が蓄積することはあります。
これは次のような理由からです。
✅ 血中と肝臓内の脂肪は「別物」
- 血液検査で測る「中性脂肪(トリグリセリド)」は、血中に流れている脂肪量
- 脂肪肝で問題になるのは、肝臓の中にたまった中性脂肪
- 血中では正常でも、肝臓には蓄積している場合がある
🎯 つまり、「血中はOKでも、肝臓には脂肪がたまっている」ということが起きうるのです。
原因1:糖質のとりすぎ
意外に思われるかもしれませんが、脂肪肝の主な原因は「脂質」よりも「糖質(特に精製された糖)」の過剰摂取です。
- お菓子、ジュース、白米、パン、うどんなどの高GI食品
- 肝臓で余った糖は「中性脂肪」に変えられて蓄積される
- このプロセスは「de novo lipogenesis(新生脂肪合成)」と呼ばれる
✅ 血糖値やHbA1cがやや高めの人は要注意
糖質の代謝に異常があると、脂肪肝のリスクが高まるため、中性脂肪値が正常でも油断できません。
脂肪肝の仕組みや進行リスク、肝硬変との関係などを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
原因2:痩せている人でもなる「やせ型脂肪肝」
- BMIが標準以下でも、内臓脂肪が多く、肝臓に脂肪がたまるケース
- 筋肉量が少ない、座りっぱなしの生活なども影響
- 特に日本人に多い「サルコペニック肥満(筋肉が少なく脂肪が多い状態)」が関与していることも
見た目が痩せていても安心できない「やせ型脂肪肝」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
原因3:運動不足と肝臓の代謝低下
- 肝臓は「代謝の工場」ですが、運動不足だと脂肪を燃やす力が落ちる
- 筋肉量が少ないと基礎代謝が下がり、肝臓の脂肪処理能力も低下
- その結果、見た目が太っていなくても脂肪肝になる
原因4:アルコール摂取
- 「中性脂肪が正常だから飲酒は問題ない」と思うのは誤解
- 少量でも毎日の飲酒が肝臓に脂肪をためこむ原因になる
- アルコールは糖代謝・脂質代謝のバランスを崩す
対策1:糖質のとりすぎを減らす
- 白米→雑穀米、ジュース→お茶、甘いおやつ→ナッツ類へ
- 「脂質制限」よりも「糖質制限」が脂肪肝対策には効果的
脂肪肝の改善に役立つ食べ物として注目される、バナナやヨーグルトの効果については、こちらの記事で紹介しています。
対策2:有酸素運動+筋トレの併用
- ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で脂肪燃焼
- スクワットや軽い筋トレで肝臓の代謝力アップ
- 週150分の軽い運動が推奨(例:1日30分×5日)
対策3:肝臓にやさしい食事習慣を
- 野菜・きのこ類・海藻を多くとる
- 油はオメガ3(魚の脂、えごま油など)を意識
- 肝機能を助ける栄養素(タウリン、ビタミンE、亜鉛など)もバランスよく
まとめ
- 血液中の中性脂肪が正常でも、肝臓に脂肪がたまっている場合がある
- 主な原因は糖質のとりすぎ・運動不足・やせ型・飲酒習慣など
- 見た目や血液検査だけでは脂肪肝は判断できない
- 生活習慣の見直しが改善への近道
「中性脂肪が正常だから大丈夫」とは限らないのが、脂肪肝のやっかいなところ。肝臓は沈黙の臓器とも言われるだけに、症状が出る前のケアが大切です。