春になると和菓子売り場に並び始める「かしわ餅」。
ふわっと香る柏の葉に包まれた白いお餅を見ると、季節の移ろいを感じる方も多いのではないでしょうか?
でも、「なぜ柏の葉で包むの?」「いつ食べるのが正解?」と聞かれると、意外と知らないことも多いはず。
この記事では、かしわ餅の意味や由来、食べる時期や地域による違いなどを、わかりやすく解説します。
かしわ餅とは?どんな和菓子?
かしわ餅とは、こしあんや味噌あんを包んだお餅を、柏の葉でくるんだ和菓子です。
- 生地は白い餅やよもぎ入りのものが一般的
- 中のあんは「こしあん」「つぶあん」「みそあん」など地域で異なる
- 柏の葉は基本的に食べずに香りを楽しむものです
このかしわ餅は、江戸時代の関東地方で端午の節句に食べる習慣が広まり、今では全国的に親しまれる春の風物詩となりました。
なぜ柏の葉で包むの?意味と由来を解説
柏の葉に込められた縁起の意味
かしわ餅に柏の葉が使われるのには、日本人の「家族」や「命のつながり」に対する強い願いが込められています。
- 子孫繁栄の象徴
→ 柏の木は「新芽が出るまで古い葉が落ちない」ことから、「家系が絶えない」縁起物とされてきました - 家運隆盛の願い
→ 代が続くことを意味する柏は、武家や庶民の間で“家の繁栄”を願う葉として尊ばれてきました
柏の葉の実用的な役割
- 防腐・抗菌作用(タンニン成分が含まれる):食材の劣化を防ぎ、保存性を高める
- 香り付け:包むことで、柏特有の清涼感がほんのり餅に移ります
※栄養成分が移るわけではないため、効能よりも保存と風味の役割が中心です。
かしわ餅はいつ食べるのが正解?
かしわ餅といえば、やはり端午の節句(5月5日)が代表的です。
- こどもの日のお祝いに、男の子の健やかな成長と家の繁栄を願って食べられます
- 鯉のぼりや兜飾りと並んで、端午の節句を彩る大切な行事食のひとつです
こどもの日の由来や風習については、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

3分でわかる!こどもの日って何の日?意味・由来・いつから始まったのかをわかりやすく解説
こどもの日は何の日?なぜ5月5日なの?意味や由来、いつから始まったのかをわかりやすく解説。端午の節句との関係や、鯉のぼり・柏餅の意味まで完全網羅。男女問わず祝う日としての背景も丁寧に紹介。
その他にも、以下のような場面でも食べられることがあります。
- 春の祝い事(結婚・出産・引っ越し):代が続くことを祝うシーンにぴったり
- 来客時の茶菓子・おやつ:季節感のあるおもてなしに重宝されます
関東はかしわ餅、関西はちまき?地域差にも注目
端午の節句の和菓子には、地域による違いもあります。
地域 | 定番の行事食 |
---|---|
関東 | かしわ餅 |
関西 | ちまき(笹に巻いた団子) |
もともとは関西でちまき文化が根強く、関東では江戸時代にかしわ餅が広まりました。
最近ではどちらもスーパーに並ぶことが多くなっていますが、その土地ごとの伝統を知ると、行事食の楽しみもより深まります。
家庭で作るのも楽しい!かしわ餅の手作りキット
お子さんと一緒にかしわ餅を手作りすれば、行事への理解や思い出にもつながります。
よもぎ入りの餅やみそあんでアレンジすれば、オリジナルの味も楽しめます。
まとめ
かしわ餅は、家族の繁栄や子どもの健やかな成長を願う、縁起の良い和菓子です。
- 柏の葉には「子孫繁栄」「家運隆盛」の願いが込められている
- 端午の節句(こどもの日)に食べるのが主流
- 香りや保存性を高める実用的な役割も
- 関東はかしわ餅、関西はちまきといった地域文化も面白い
今年の春は、かしわ餅をじっくり味わいながら、伝統文化や家族のつながりに想いをはせてみてはいかがでしょうか?