「いきなり足の親指が腫れて激痛…これが痛風?」
そんな経験をされた方も多いかもしれません。痛風は単なる関節炎ではなく、生活習慣と密接に関わる病気です。放っておくと発作を繰り返すだけでなく、腎臓や血管にも影響を及ぼすことがあります。
この記事では、痛風の仕組みから症状、治療、予防法までをわかりやすく解説します。正しく理解して、再発を防ぎましょう。
痛風とは?尿酸が原因で起こる関節炎
痛風は、体内で増えすぎた尿酸が関節に結晶として沈着し、急性の炎症を引き起こす病気です。尿酸は「プリン体」という物質の代謝で生まれる老廃物で、本来は腎臓から排出されます。
しかし何らかの理由で尿酸が体にたまりすぎると、関節内に鋭い結晶を作り、激しい痛みや腫れをもたらします。
痛風と痛風発作の違い
- 痛風:慢性的に尿酸値が高い状態(高尿酸血症)による病気全体
- 痛風発作:その症状として起きる急激な関節の炎症(多くは足の親指)
原因は2つ:「作りすぎる」か「出せない」
痛風は主に以下の2つのタイプに分類されます:
- 尿酸の過剰産生型
- 肥満やプリン体の過剰摂取、ストレス、激しい運動などで体内で尿酸がたくさん作られてしまう
- 尿酸の排泄低下型
- 腎機能の低下や薬剤(利尿薬など)の影響で尿酸がうまく体外に出せなくなる
実際には、これらの要因が複合しているケースがほとんどです。
痛風体質は遺伝する?
尿酸がたまりやすい体質や腎機能の影響を受けやすい体質は、ある程度遺伝する可能性があります。家族に痛風の人がいる場合は注意が必要です。
痛風の症状と特徴
- 足の親指付け根が突然激しく痛む
- 赤く腫れて熱を持つ
- 痛みは夜間や明け方に突然起こることが多い
- 発作は数日~1週間ほどで自然に治まるが、再発しやすい
痛風と診断されたら?治療と対処法
痛風の治療は、「急性期」と「再発予防期」に分けて考えます。
急性期の対応
- 安静と患部の冷却
- 消炎鎮痛薬やコルヒチンの投与(医師の処方)
- 水分摂取を増やして尿酸排出を促す
尿酸値の管理(再発予防)
- 尿酸降下薬の内服(アロプリノールやフェブキソスタットなど)
- 肥満や飲酒習慣の改善
- 運動や食生活の見直し
参考:子供にも痛風は起こるの?
大人の病気と思われがちな痛風ですが、まれに子供でも発症することがあります。詳しくは「子供でも痛風になるの?まれだけど注意すべき原因と予防法を解説」をご覧ください。
食事・運動・生活習慣でできる痛風予防
- 食事改善
- プリン体の多い食品(レバー、魚卵、ビールなど)を控える
- 野菜、海藻、乳製品、豆類をバランスよく摂る
- 果糖(清涼飲料水など)を減らす
- 水分摂取
- 1日1.5〜2Lを目安にこまめに飲む(尿酸排出を助ける)
- 適度な運動
- ウォーキング、ヨガ、水泳など、関節に負担をかけないものを習慣化
- 禁酒・節酒
- 特にビールや日本酒は尿酸を増やしやすい
- ストレス管理
- 睡眠・リラクゼーションも大切な予防要素
関連疾患とのつながりに注意
痛風は単独の病気ではなく、以下の疾患と関連することが多いです:
- 高血圧
- 糖尿病
- 高脂血症
- 慢性腎臓病
- メタボリックシンドローム
そのため、痛風の治療は全身の健康管理とセットで考えることが重要です。
サプリメントは補助的に
尿酸値を下げる効果が期待されるサプリメントも市販されていますが、効果には個人差があり、医師の治療を補助する目的で使用すべきです。
自己判断での服用は避け、必ず医師に相談しましょう。
まとめ
痛風は「尿酸が増えすぎて起きる関節炎」というだけでなく、生活習慣病の一環として全身に影響する疾患です。
痛風を防ぐには、食事・運動・ストレス管理・水分摂取など、日々の暮らしの中で意識できることがたくさんあります。