山の風景や町の中でふと目に入る鉄塔。「あれ?赤と白のしましま模様の鉄塔もあれば、銀色の地味な鉄塔もあるな…」そんな疑問を持ったことはありませんか?
実は鉄塔の色には、しっかりとした法律的な意味と歴史的背景があるんです。そしてもうひとつ、あまり知られていないけれど多くの人が気になるのが、「鉄塔って雷が落ちても大丈夫なの?」という疑問。
この記事では、鉄塔の色分けのルールから雷の影響まで、知られざる鉄塔の裏側をわかりやすく解説します。
結論:赤白の鉄塔は航空機の安全対策。雷は落ちても問題なし!
鉄塔が赤白に塗られているのは、航空法によって義務付けられているためです。高さ60m以上の鉄塔は航空機からの視認性を高める必要があり、赤白に色分けされます。
また、「雷が落ちたら危ないのでは?」と思われがちですが、鉄塔はそもそも避雷設計が施されており、雷が落ちても安全に地面に流れる構造になっています。むしろ雷を引き受ける役割すら担っています。
なぜ赤と白?鉄塔の色分けルールとは
高さ60mが基準!航空法で決まっている
赤白の鉄塔は、単なるデザインではなく、国の法律(航空法)による規定です。具体的には次のようなルールになっています。
- 高さが60m以上の鉄塔は、航空機からの視認性を確保するため赤白に塗装
- 約7mおきに赤と白を交互に塗ることで、空中から見やすくなる
- さらに、夜間には赤色灯を点滅させることも義務
これは日本だけでなく、国際民間航空機関(ICAO)の安全基準にも沿っています。
無色(銀色)の鉄塔はなぜあるの?
一方で、地味な銀色の鉄塔も見かけます。これは以下のようなケースです。
- 高さ60m未満で航空法の対象外
- 建設当時の法制度が緩かった古い鉄塔
- 景観配慮や塗装の維持管理上の理由
つまり、赤白でない=違法ではありません。現行ルールでは対象外、あるいは古い基準のまま運用されているだけのこともあります。
鉄塔に雷は落ちる?落ちても大丈夫なの?
これは多くの人が気になるポイントですが、鉄塔に雷は非常によく落ちます。しかし、それで危険になることは基本的にありません。
鉄塔は落雷前提で設計されている
鉄塔には以下のような雷対策が施されています。
- 避雷針の設置:鉄塔の最上部に専用の避雷構造がある
- 接地(アース)設備:落雷電流を安全に地面に流す仕組み
- 送電設備も雷対策済み:瞬間的な高電圧から機器を守る装置がある
つまり、鉄塔は雷を受け止めて安全に逃すという意味でも非常に重要な構造物なのです。
雷が住宅に落ちた場合との違いや対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶️ 雷は家に落ちる?落雷の確率と危険性、そして効果的な対策を専門家が解説!
まとめ:鉄塔の色と雷には理由がある!
鉄塔の色分けには、私たちの見た目の印象以上に法律と安全性の配慮が詰まっています。
- 赤白は航空法に基づく視認性対策
- 無色は高さが低い or 古い鉄塔
- 雷は想定済みで、安全に処理できる構造
何気なく見ていた鉄塔にも、これだけ多くの背景と意味があると知ると、ちょっと見方が変わってきますよね。今度、山や町で鉄塔を見かけたときは、ぜひ「これは赤白?無色?雷対策は?」と観察してみてください。