3分でわかる!「くるしゅうない」とは?意味・語源・歴史・使われ方をわかりやすく解説!

くるしゅうない

時代劇や古典ドラマでよく耳にする「くるしゅうない」という言葉。
偉そうな人が「くるしゅうない、ちこうよれ」と言う場面、見たことありませんか?

でも、実際には「くるしゅうない」ってどんな意味?
いつから使われているの?今でも使えるの?
この記事では、そんな素朴な疑問に答えながら、「くるしゅうない」の意味や語源、歴史背景をわかりやすく解説していきます!

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「くるしゅうない」の意味とは?

「くるしゅうない」とは、
『気にするな』『遠慮しなくてよい』『心配するな』
という意味の言葉です。

特に、目上の人が目下の人に対して、遠慮や心配を払拭するために使う場面で用いられます。

たとえば、

  • 家臣が控えめに振る舞っているとき
  • 部下が恐縮しているとき
  • 近づくことをためらっているとき

そんな場面で、上の立場の者が「気にするな」という優しさや寛大さを示す言葉なのです。

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「くるしゅうない」の語源

「くるしゅうない」は、古い日本語の組み合わせからできています。

  • くるし(苦し)
    → 「苦しい」「困る」「心苦しい」を意味する形容詞
  • ない(無い)
    → 否定を表す助動詞。「存在しない」「状態がない」という意味

これが組み合わさり、直訳すると「苦しくない」という意味になります。
ただし、ここでいう「苦しい」は単なる肉体的苦痛ではなく、遠慮や心の負担を指していると考えられます。

つまり、「くるしゅうない」とは、
『苦しい思いをしなくていい』『気に病む必要はない』
というニュアンスの言葉なのです。

また、古典日本語には「〜しゅうない(形容詞+ない)」という表現が存在し、
たとえば「めんどうしゅうない」(面倒ではない)、「うれしゅうない」(嬉しくない)なども同じ構造で使われていました。

いつから使われている言葉なの?

「くるしゅうない」という言葉は、室町時代(14〜16世紀)にはすでに使われていたと考えられています。
中世以降、特に武士階級の間で、主君が家臣に対して使う格式ある言葉として定着しました。

江戸時代になると、武士の礼儀作法や主従関係を描く場面で一般的になり、現代の「時代劇」でイメージされるスタイルが出来上がったのです。

どんな立場の人が使ったの?

「くるしゅうない」は、身分が高い者(主君、大名、殿様など)が、
身分が低い者(家臣、従者など)に向かって言う言葉です。

つまり、上下関係を前提とした、上から目線の表現だったということですね。

現代でいえば、社長が部下に「気にしなくていいよ」と言う感じに近いですが、もっと格式と威厳を感じさせる使われ方をしていました。

現在でも使える?現代語訳すると?

現代では、日常会話で「くるしゅうない」を使うことはまずありません

使うとすれば、

  • 時代劇のセリフで
  • ふざけた冗談のやりとりで
  • 友人同士でネタとして

といった、遊びや演出に限られます。

現代語に言い換えるなら、
「気にするな」「大丈夫だよ」「遠慮しなくていいよ」
といったフレーズがぴったりです。

もし真顔でビジネスシーンなどで「くるしゅうない」と言ったら、時代錯誤に思われるか、笑われてしまうかもしれません。

まとめ:「くるしゅうない」は時代を映す言葉

  • 「くるしゅうない」は「気にするな」「遠慮するな」という意味
  • 語源は「苦し(くるし)+無い(ない)」
  • 室町時代から江戸時代にかけて武士階級で定着
  • 目上の人が目下の人に対して使う表現だった
  • 現代では冗談や時代劇の中でしか使われない

この言葉を知っておくと、時代劇や歴史ドラマをもっと深く楽しめるようになりますよ!

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