風呂敷はいつからあるの?名前の由来は?起源と歴史をわかりやすく解説

風呂敷の語源

風呂敷といえば、贈り物を包んだり、手提げバッグのように使ったりと、どこか懐かしくて美しい日本の伝統を感じさせる布。でも「風呂敷っていつからあるの?」「なんで“風呂”ってつくの?」と思ったことはありませんか?

この記事では、風呂敷の起源、名前の由来、時代ごとの役割の変化、そして現代での活用法まで、知っているようで知らない風呂敷の歴史を丁寧に解説します。

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結論:風呂敷は奈良時代から存在し、名前は室町時代の“風呂文化”に由来する

風呂敷の原型は奈良時代の正倉院宝物にも見られます。当初は衣装を包む布でしたが、室町時代には蒸し風呂で敷く布としての用途が生まれ、「風呂敷」という名が定着しました。

その後、江戸時代には贈答や持ち運び用、明治以降は実用品として広まり、近年ではエコで再評価される存在に。

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奈良時代に登場した“包む布”の原型

風呂敷のような包み布の記録は、奈良時代(8世紀)の正倉院宝物にすでに登場しています。舞楽の衣装や貴重品を保護・運搬するために使われていたもので、当時から「包む」という文化が根づいていたことがわかります。

ただし、この時代にはまだ「風呂敷」という言葉は存在していませんでした。

名前の由来:室町時代の“風呂文化”がルーツ

「風呂敷」という言葉が登場するのは室町時代。蒸し風呂に入る際、床に布を敷いて衣服を置いたり、脱いだ衣を包んだりしたことが由来とされています。

特に大名屋敷や寺社では、風呂を利用する際に個人の持ち物を他人と区別するため、家紋入りの布を使っていました。これが「風呂敷」の語源になったと考えられています。

江戸時代:実用性と装飾性が融合

江戸時代に入ると、風呂敷は広く庶民にも普及します。

  • 商人が品物を包んで運搬
  • 贈答用として包む文化が定着
  • 浮世絵や藍染など、美しいデザインが登場

この時代には「包み=礼儀」という認識も生まれ、見た目の美しさと機能性を兼ね備えた風呂敷が大流行しました。

明治〜昭和:産業化と大量生産、そして衰退

明治時代になると、風呂敷は工業製品として大量生産されるようになり、一般庶民の生活にも定着していきます。特に昭和初期までは、買い物袋として風呂敷を持ち歩くのが日常風景でした。

しかし、戦後になるとビニール袋や紙袋が普及し、風呂敷は徐々に姿を消していきます。

現代:サステナブルな伝統として再評価

近年、風呂敷は「エコバッグ」「多機能クロス」として再注目されています。

  • 繰り返し使えるサステナブルな素材
  • バッグ、テーブルクロス、インテリアとしても活用可能
  • 贈り物の包装に使えば「気遣い」も伝わる

特に海外では「Furoshiki」として日本文化の一端として人気があり、デザイン性の高い風呂敷がギフトアイテムとして販売されています。

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まとめ

風呂敷は、日本の生活文化とともに進化してきた“包みの文化”の象徴です。

  • 奈良時代には“包み布”として登場
  • 室町時代に蒸し風呂文化から「風呂敷」の語が誕生
  • 江戸時代には庶民の間で大流行
  • 明治以降は工業製品に、戦後は一時衰退
  • 現代ではエコ・デザインの観点から再評価

今も昔も、贈る心や丁寧な暮らしを象徴するアイテム。それが風呂敷です。

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