「なんだか最近、動悸がひどい……」「食べてるのに痩せていく……」
そんな体調不良が続いて、病院で「バセドウ病」と診断されたら不安になりますよね。
「この病気って完治しないの?」「ずっと薬を飲み続けるの?」
この記事では、バセドウ病の仕組み・症状・治療法、そして完治の可能性まで、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。
結論:バセドウ病は適切な治療で寛解が可能な病気です
バセドウ病は自己免疫疾患の一つで、確かに治療には時間がかかります。
しかし、正しく治療すれば症状が落ち着き、薬なしでも生活できる状態(寛解)になる人も多くいます。悲観する必要はありません。
バセドウ病とは?甲状腺ホルモンが過剰になる病気
バセドウ病(Graves病)は、甲状腺という首の前にある小さな臓器が必要以上にホルモンを分泌してしまう病気です。
このホルモンは、体温・代謝・心拍・精神状態など多くの機能を調整しており、過剰になると体が“常にフル稼働”の状態に。
主な症状
- 動悸や頻脈(心臓がバクバクする)
- 暑がり、発汗
- 手の震え、不安感、イライラ
- 不眠、集中力低下
- 筋力低下、疲れやすさ
- 体重減少(食欲があっても痩せる)
- 眼球突出
- 女性では月経不順や不妊の原因にも
これらの症状は、自律神経や精神状態にも影響し、日常生活に大きな支障をきたします。
特に「幸せホルモン」セロトニンが睡眠の質を左右するでも解説されているように、ホルモンと睡眠・精神の関係は密接です。
バセドウ病の原因とリスク要因
バセドウ病は自己免疫疾患です。
本来は外敵を攻撃する免疫細胞が、なぜか自分の甲状腺を“刺激”してしまい、ホルモンが過剰に作られる状態に。
リスク因子には:
- 遺伝的な体質(家族に甲状腺疾患がある)
- 強いストレス
- 妊娠・出産後のホルモン変動
- 喫煙
これらはホルモンバランスを大きく乱す要因でもあります。
たとえば夜ふかしはなぜ美容と健康に悪い?では、生活習慣がホルモンに与える影響を詳しく解説しています。
治療法は3種類
- 薬物療法(抗甲状腺薬)
- 最も基本的な治療
- 約2〜3年の服用で半数が寛解する
- 定期的な血液検査が必須
- 放射線治療(アイソトープ療法)
- ヨウ素131を服用し、甲状腺の働きを抑える
- アメリカでは第一選択となることも
- 手術(甲状腺の切除)
- 再発を繰り返す場合や重症例に
- 術後はホルモン補充が必要
治る可能性と再発率
抗甲状腺薬での治療でも約50%の患者が再発なしで安定(寛解)するとされています。
放射線治療や手術を選べば、さらに高い確率で再発を防げます。
つまり、「一生治らない」と決めつける必要はありません。
生活で気をつけるポイント
- 禁煙は必須:再発リスクが高まるため
- 過労・ストレスを避ける
- 高温サウナなど体温を上げる習慣は控える
- 妊娠を希望する場合は医師と事前に相談を
また、ホルモンの乱れが甘いものへの欲求にも影響を与えることは、
睡眠不足で甘いものが欲しくなる理由でも詳しく紹介されています。
まとめ
バセドウ病はたしかに簡単に治る病気ではありませんが、
適切な治療と生活習慣の見直しで、多くの人が薬なしでも安定した生活を送れるようになります。
「治らない病気」と思い込まず、早めの受診と治療が大切です。