春から初夏にかけてスーパーの果物売り場を彩る「甘夏」「夏みかん」「はっさく」。見た目が似ていても、実はそれぞれにしっかりした違いがあります。
この記事では、初心者でも迷わず選べるように、それぞれの特徴・味・旬の時期・由来までわかりやすくまとめます。
結論:見た目は似ていても「味・食べ方・旬」がまったく違う!
柑橘類 | 味の特徴 | 主な用途 | 旬 |
---|---|---|---|
甘夏 | 酸味控えめで甘い | 生食向き | 4〜5月 |
夏みかん | 酸味が強い | 加工向き(マーマレードなど) | 5〜7月 |
はっさく | ほろ苦さと酸味のバランス | 生食・サラダ向き | 2〜3月 |
それぞれの特徴を順番に詳しく見ていきましょう。
甘夏(あまなつ):酸味控えめで食べやすい
- 正式名:カワノナツダイダイ
- 原産地:大分県(川野豊氏が発見)
- 主な産地:熊本県・愛媛県など
- 特徴:
- 夏みかんの突然変異種
- 酸味が少なく、糖度が高め
- 果肉がやわらかく食べやすい
- 皮は厚めだが剥きやすい
- 旬の時期:4月〜5月
ほどよい甘みと爽やかな酸味のバランスで、そのまま生で食べるのに最適な柑橘です。春先になるとスーパーでよく見かける定番の果物です。
夏みかん(なつみかん):酸味が強く加工向き
- 正式名:ナツダイダイ
- 原産地:山口県長門市(江戸時代中期に発見)
- 主な産地:山口県・愛媛県・静岡県など
- 特徴:
- 甘みよりも酸味が強い
- 果肉がやや硬め
- 生食よりもジャムやジュース加工に最適
- 香りが爽やかで濃厚
- 旬の時期:5月〜7月
そのまま食べると酸っぱさを強く感じますが、マーマレードやジュースに加工すると香り高さが際立ちます。古くから保存食文化でも活用されてきた柑橘です。
はっさく(八朔):ほろ苦さと爽やかさの絶妙バランス
- 由来:「八月朔日(旧暦で8月1日)」が名前の語源
- 原産地:広島県因島
- 主な産地:和歌山県・広島県
- 特徴:
- 甘み・酸味・ほろ苦さのバランスが独特
- 水分はやや少なめ
- 薄皮が硬めなので剥いてから食べる
- 爽やかな苦味が大人向き
- 旬の時期:2月〜3月
はっさくは甘夏や夏みかんに比べて独特の渋み・苦みが魅力です。最近はサラダやデザートにも使われる機会が増えています。
見た目では区別がつきにくい理由
どの品種も大玉・橙色で厚めの皮を持つため、一見するとそっくりです。ただし、以下のポイントで見分けるヒントになります。
- 甘夏 → やや艶やかなオレンジ色・ヘタが小ぶり
- 夏みかん → やや黄色味が強く、表皮がゴツゴツ
- はっさく → やや平たく、果皮の表面は滑らか
まとめ
- 甘夏:甘み強めで生食向き(4〜5月)
- 夏みかん:酸味強めで加工向き(5〜7月)
- はっさく:苦みもある大人向けの爽快感(2〜3月)
スーパーで見かけたときは、旬の時期・味の好み・用途を参考にぜひ食べ比べてみてください。
どの品種も春先〜初夏にかけてが最も美味しい時期です!