中華料理のデザートとして定番の「杏仁豆腐」。その名から「豆腐の一種?」と思う人も多いですが、実は全くの別物。では、杏仁豆腐は何からできていて、どんな栄養があり、どんな注意点があるのでしょうか?
この記事では、杏仁豆腐の正体、材料や栄養、カロリー、食べ過ぎによる影響まで、気になるポイントをわかりやすく解説します。
結論:杏仁豆腐は豆腐ではないが、栄養豊富な中華デザート
杏仁豆腐は、豆腐ではなく「杏仁(あんにん)」というアンズの種子から作る甘くてやわらかいゼリー状のデザートです。タンパク質やビタミンE、カルシウムなどを含む一方で、砂糖や牛乳由来のカロリーも高め。適量なら健康的に楽しめますが、食べ過ぎには注意が必要です。
杏仁豆腐とは?名前に「豆腐」とある理由
杏仁豆腐は、中国発祥のデザート。白くてやわらかい見た目と食感が豆腐に似ていることから「豆腐」と名づけられましたが、大豆は一切使われていません。
- 杏仁(きょうにん):アンズの種の中身。ほろ苦く香ばしい風味が特徴。
- 杏仁霜(きょうにんそう):杏仁を粉末状にした加工品で、これが杏仁豆腐の風味の決め手になります。
材料と作り方:意外とシンプル
家庭で作られる杏仁豆腐の基本材料は以下のとおり:
- 杏仁霜(市販品)
- 牛乳または豆乳
- 砂糖
- ゼラチンまたは寒天
これらを温めて混ぜ、冷蔵庫で冷やして固めるだけ。とてもシンプルです。
栄養価とカロリー:デザートにしては優秀?
杏仁豆腐の栄養価(100gあたり、おおよその目安):
- カロリー:100〜130kcal
- 脂質:2〜5g(乳製品由来)
- 糖質:15〜20g
- タンパク質:2〜4g
- カルシウム、ビタミンE、葉酸など
特に杏仁に含まれるビタミンEや食物繊維が注目されており、美容や抗酸化作用も期待されています。ただし、砂糖の量によって糖質やカロリーは大きく変動します。
また、杏仁は生薬としても利用されており、昔から咳止めや整腸に良いとされてきました。似たような効能をもつ食材としては、同じ中華圏で重宝されてきたクコの実って何?栄養は?食べ過ぎるとどうなる?何に使えるの?わかりやすく解説。の記事も参考になります。
食べ過ぎ注意!過剰摂取のリスク
いくら身体に良い成分を含むとはいえ、杏仁豆腐を食べ過ぎると以下のような問題が考えられます:
- カロリーオーバー
- 牛乳や砂糖が多く使われているため、カロリーは高め。1人前(150g程度)で約180kcal前後になります。
- 糖質の摂りすぎ
- 特に市販品は甘さが強く、糖質も多め。
- 腹痛・下痢の可能性
- 杏仁にはごく微量ですがシアン化合物(アミグダリン)を含む場合があり、大量摂取でお腹を壊すことも。
- アレルギーリスク
- バラ科植物にアレルギーのある人は要注意。
英語では「Almond Tofu」?その理由
欧米では杏仁豆腐を「Almond Jelly」や「Almond Tofu」と呼びます。
これは、杏仁とアーモンドが非常に近い植物(ともにバラ科)で、香りや見た目が似ているため。実際、西洋では杏仁の代用としてアーモンドエッセンスを使うことも珍しくありません。
つまり、「Almond Tofu」と書かれていても、杏仁が使われているとは限らないのです。
まとめ
- 杏仁豆腐は大豆不使用で、杏仁から作られる中華デザート
- 牛乳やゼラチンを加えて作るゼリー状のスイーツ
- ビタミンEや食物繊維を含むが、糖質とカロリーも高め
- 食べ過ぎは肥満やお腹の不調の原因になることも
- 英語の「Almond」は杏仁の代用・混同に由来
栄養と風味に優れた杏仁豆腐ですが、1日1カップ程度を目安に、バランスよく楽しみましょう。