ゴロゴロ……
山の稜線で雷の音が聞こえた瞬間、全身が凍るような感覚になったことはありませんか?
登山中の雷は、自然災害の中でも最も致命的なリスクの一つです。
正しい知識と行動が、生死を分けることもあります。
この記事では、登山中に雷に遭遇した場合の正しい行動と、事前にできる予防策をわかりやすく解説します。
雷そのものの仕組みや対策については、
雷の仕組みや種類、対策をまとめた総合ガイドもあわせてご覧ください。
登山中の雷はなぜ危険?
雷は、高い場所・開けた場所・突き出た物体に落ちやすい性質があります。
つまり、山頂や稜線、草原の真ん中などは極めて危険な場所です。
人にも雷は落ちる?
落ちます。特に単独で開けた場所に立っていると、避雷針のように見なされて落雷の対象になることがあります。
人の体に電流が流れると、心停止や熱傷、内臓損傷など命に関わる重大な被害が起こり得ます。
雷が鳴ったらすぐに取るべき行動
- 稜線や山頂から速やかに離れる
雷鳴が聞こえた時点で、すでに雷雲が半径10km以内にあると考えるべきです。
稜線やピークから素早く下りて、より低い場所を目指しましょう。 - 林やくぼ地などの低く開けていない場所へ避難する
単独の木のそばは危険なので避けましょう。
理想的なのは複数の木に囲まれた場所で、木から4~5メートル離れたところに位置することです。 - 姿勢を低くして待機する(しゃがむ)
- 地面に座らず、両足を揃えてしゃがむ
- 両手を膝に置き、頭を下げる
- ザックや金属類は体から離し、地面に置く
- 地面との接触面積を最小限にして、電流が体内を通り抜けるのを防ぎます
- テントや岩陰を過信しない
- テント:布は雷を通すため、防御にはなりません。開けた場所のテントなら外へ避難を。
- 岩陰:落雷時に地面を電流が走るため、岩下にいると逆に危険です。
雷を予防するために登山前にできること
- 登山専用の天気予報(ヤマテン、tenki.jpなど)を確認する
- 「雷注意報」や「午後から大気が不安定」といった表現が出ていれば中止も検討する
- 「午前登頂・午後下山」が雷対策の基本
- 空を見る習慣をつける:「西の空が暗い」は雷雲接近のサイン
登山中の天気変化は予測が難しく、特に雷は突然やってきます。
雷を含めた山での気象リスク全体を理解するには、
3分でわかる!山の天気はなぜ変わりやすい?もあわせて読むと役立ちます。
最後に:判断力が命を守る
- ゴロゴロ聞こえたら、もう「逃げるべき」タイミング
- 少しでも不安を感じたら、登山を中止する勇気を持つことが最大の安全策です
山はいつでもありますが、命は一度きりです。
リスクがある日は無理をせず、自然に敬意を払いましょう。
まとめ
登山中に雷が鳴ったら取るべき行動:
- 高所から速やかに離れる
- 木々のある低地に避難
- 金属類は外して体から離す
- 両足を揃えてしゃがみ、頭を下げる
- テントや岩陰は過信せず、安全な場所へ移動
- 天気予報を事前に確認して、計画を柔軟に変える
「即行動」と「事前の備え」が雷から命を守る最大の鍵です。