ゴロゴロ……
山の上で雷の音が聞こえたら、ゾッとした経験がある人も多いはず。
登山中に雷に遭遇するのは非常に危険で、命に関わる事故につながることもあります。
では、もし登山中に雷が鳴ったら、どうすればいいのでしょうか?
この記事では、登山中に雷に遭遇したときの正しい対処法と、事前にできる予防策をわかりやすく解説します。
雷が登山中に起きるとどう危険なの?
雷は、高いところ・開けた場所・突き出たものに落ちやすい性質があります。
つまり、山の稜線や山頂、草原の中の単独の木の下などは雷が落ちやすい危険な場所です。
豆知識①:人の体にも雷は落ちる?
落ちます。雷は金属や電線だけでなく、人の体にも落ちることがあります。特に開けた場所でひとりだけ立っていると、避雷針のように見なされることも。
登山中に雷が鳴ったらすぐにやるべき行動
1. すぐに稜線や山頂から離れる
稜線やピーク(頂上)は、雷にとって最も落ちやすい場所。
音が聞こえたら迷わず、すぐに低い場所へと移動しましょう。
豆知識②:「ゴロゴロ聞こえる」はもう危険圏内!
雷鳴が聞こえる距離=雷雲が半径10km以内にある可能性があります。見えてなくても「聞こえたらアウト」と覚えておきましょう。
2. 樹林帯やくぼ地など周囲より低い場所へ避難する
安全な場所がない場合は、できるだけ周囲より低くて開けていない場所(林の中など)に避難します。
ただし、単独の木の近くは危険なのでNG!
複数の木に囲まれた場所の、木から4〜5メートル離れた位置が安全と言われています。
3. 姿勢を低くする(しゃがむ)
避難先で雷が近づいてきたら、以下のように姿勢を低くしましょう。
- ザックは体から離す(地面に置く)
- 地面に座らず、両足を揃えてしゃがむ
- 両手は膝に、頭を低くする
- 地面との接触面積を最小限に
これは感電時の電流が体を通り抜けないようにするためです。
豆知識③:金属製の登山道具は危険?
雷は金属に落ちやすいですが、持っているからといって落雷の対象になるとは限りません。むしろ、高所・開けた場所にいることが最大のリスクです。金属は体から外して地面に置いておけばOK。
4. テントの中や岩陰は「安全」とは限らない!
- テント内:布地は雷を防げません。開けた場所にテントがあるなら、外の低い場所へ。
- 岩の下:つい入りたくなりますが、岩と地面の間に電流が流れることがあり危険です。
「その場にじっとしていれば大丈夫」と思わず、少しでも安全な場所へ移動するのが原則です。
雷を予防するために登山前にできること
- 登山専用の天気予報を見る(ヤマテン、tenki.jpなど)
- 「雷注意報」や「午後から大気が不安定」は要注意
- 夏は「午前登頂・午後下山」が基本
- 午後に雷が発生しやすいことを前提に行動計画を立てましょう
- 「西の空が暗い」は雷雲のサイン
- 日本では天気が西から東に流れるので、天気の兆候を空で読むのも重要です
まとめ:雷をなめずに、すぐ避難!
登山中に雷が鳴ったら――
- 高所から速やかに下りる
- 木のそばの安全な場所でしゃがむ
- 金属は体から外す
- テントや岩陰は過信しない
このように、雷から身を守るには「即行動」が命を守るカギです。
そしてなにより大切なのは、「今日は雷が鳴きそうだ」と思ったら登山を中止する判断力。
山はいつでもありますが、命は一つだけです。
豆知識④:「雷が鳴りそう」な日は行かない勇気!
山は逃げません。でも雷は待ってくれません。