「多発性骨髄腫」―この病名を初めて耳にしたのは、私の叔父が診断された時でした。健康的な生活を送っていた叔父の突然の発症は、家族全員に衝撃を与えました。今回は、叔父の闘病経験を通して学んだ多発性骨髄腫について、皆さんにお伝えしたいと思います。
多発性骨髄腫とは?
多発性骨髄腫は、形質細胞ががん化して骨髄内で異常増殖する血液のがんです。叔父が「ただの腰痛だと思っていた」と後に語っていたように、初期症状は他の病気と間違えやすいのが特徴です。
主な症状
- 骨の痛み(特に背中、腰、肋骨)
- 貧血による疲労感
- 感染症にかかりやすくなる
- 腎臓機能の低下
叔父の場合、持続する腰痛がきっかけで病院を受診し、詳しい検査の結果、多発性骨髄腫が見つかりました。「もっと早く気づけばよかった」と、家族みんなで後悔しましたが、この病気の早期発見の難しさを実感しました。
発症リスクと原因
多発性骨髄腫は主に60歳以上の高齢者に多く、男性のほうがやや発症率が高いとされています。叔父も68歳で発症しました。明確な原因は不明ですが、年齢、性別、人種、環境要因などが関係していると考えられています。
健康オタクだった叔父が発症したことで、この病気が誰にでも起こり得ることを痛感しました。「人生何が起こるかわからない」とはこのことかもしれません。
生存率と治療法
米国がん協会によると、早期発見・治療の場合の5年相対生存率は約75%です。叔父の場合、診断から5年2ヶ月で他界しました。まさに統計通りの結果で、数字の重みを感じました。
主な治療法には以下があります:
- 化学療法
- 造血幹細胞移植
- 放射線療法
- 免疫療法
- 骨修飾薬
叔父も様々な治療を受けました。特に造血幹細胞移植の際は、家族全員でドナー検査を受けたことを覚えています。残念ながら適合者は見つからず、自家移植を行いましたが、その過程で家族の絆が深まったのは確かです。
闘病を通じての学び
叔父の闘病を通じて、この病気の難しさを実感しました。健康的な生活を送っていても発症するリスクがあること、早期発見の難しさ、そして治療の厳しさを目の当たりにしました。
しかし同時に、医療の進歩により生存期間が延びていることも知りました。叔父は最後まで「まだまだ諦めないぞ」と前向きでした。その姿勢に、希望を持ち続けることの大切さを学びました。
おわりに
多発性骨髄腫は確かに難しい病気です。しかし、早期発見と適切な治療で長期生存の可能性が高まっています。定期的な健康診断はもちろん、体の小さな変化に敏感になることが大切だと感じました。
そして何より、この病気と闘う方々とその家族に、心からのエールを送りたいと思います。叔父の闘病を通じて、患者さんとその家族の強さ、医療スタッフの献身、そして命の尊さを改めて実感しました。
最後に、多発性骨髄腫について詳しく知りたい方には、以下の本をおすすめします。
この本は、血液のがんについて分かりやすく解説しており、多発性骨髄腫についても詳しく取り上げています。病気への理解を深める一助になれば幸いです。