握り寿司と巻き寿司の違い、どちらが先に生まれた?歴史と種類をわかりやすく解説

握り寿司、巻き寿司

「握り寿司と巻き寿司って、そもそも何が違うの?」
「歴史的にはどっちが先にできたの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?

寿司にはさまざまな種類がありますが、中でも代表的なのが「握り寿司」と「巻き寿司」。見た目も食べ方も異なるこの2つの寿司は、実は生まれた時代も用途も大きく違います。

この記事では、握り寿司と巻き寿司の違いを「定義・作り方・歴史・地域性」などの観点からわかりやすく解説します。読み終えた頃には、寿司の奥深さがもっと楽しく感じられるはずです。

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結論:巻き寿司の方が歴史が古い!握り寿司は江戸時代の屋台発祥

先に誕生したのは巻き寿司で、江戸時代初期〜中期にはすでに存在していました。一方の握り寿司は、19世紀前半の江戸で生まれた「早ずし」という形式で登場しました【※1】。

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握り寿司と巻き寿司の基本的な違い

項目握り寿司巻き寿司
形状シャリを手で握り、ネタを上に乗せる海苔でシャリと具材を巻く
見た目楕円形、立体感あり円柱状または細長い断面
調理法手で握る巻きすを使って成形
提供形式一貫ずつ提供一本を切って提供
現代での用途寿司店・高級志向家庭・恵方巻・お弁当などでも定番

巻き寿司の起源と歴史

巻き寿司のルーツは、江戸時代前期〜中期に流行した押し寿司や箱寿司からの派生だとされます。海苔が一般に流通するようになったことで、保存性のある具材(干瓢や椎茸)を使った巻き寿司が広まりました【※2】。

関西発祥の説が有力

巻き寿司は、特に京都や大阪など関西圏で発展したとされ、江戸時代中期には「干瓢巻き」「太巻き」が文献にも登場しています【※2】。

握り寿司の誕生は江戸・19世紀初頭

握り寿司が誕生したのは、江戸時代後期(文政年間、1818〜1830年ごろ)の江戸・両国周辺。屋台で提供された「早ずし(はやずし)」というスタイルがその始まりです【※1】。

華屋与兵衛と早ずし

「華屋与兵衛(はなや よへえ)」がこの形式を広めた人物として知られています。彼は酢飯の上に新鮮な魚を乗せ、すぐに提供するスタイルで人気を集めました。まさに江戸のファーストフードだったのです【※3】。

他にも、玉寿司の玉喜与兵衛など、同時期に類似の握り寿司を提供した職人も存在していたことが記録されています【※1】。

👉 関連記事:意外に知らない!江戸の寿司はファーストフードだった!

握り寿司と巻き寿司の種類一覧

握り寿司のバリエーション

  • まぐろ、サーモン、エビなどの「定番ネタ」
  • 軍艦巻き(イクラ、ウニ、納豆など)
  • 炙り寿司(トロの炙りなど)

巻き寿司のバリエーション

  • 太巻き:具材を複数入れた定番
  • 細巻き:かっぱ巻き、鉄火巻きなど
  • 恵方巻:節分の風習として全国化
  • 裏巻き(カリフォルニアロールなど):海外発祥で日本に逆輸入

現代ではどう食べ分けられている?

  • 外食や寿司店では握り寿司が主流
  • 家庭やイベントでは巻き寿司が人気
  • 特に節分の「恵方巻」は、コンビニなどでも季節限定で販売されるなど、日常に根付いています。

海外での展開と寿司の進化

海外では「寿司=巻き寿司(California rollなど)」というイメージが強く、独自に進化した巻き寿司文化が根付いています。

一方、近年では「OMAKASE(おまかせ)」スタイルの本格的な握り寿司が広まりつつあり、日本の職人文化への再注目が進んでいます。

寿司の魅力は形だけでなく、ネタや歴史、用語の由来などにも広がっています。トロやサーモンの意外な話、ガリの意味、寿司の起源などをまとめた総集編もありますので、興味のある方はぜひこちらもご覧ください。

寿司の歴史・種類・豆知識まとめ|知ればもっと美味しくなる寿司の世界

まとめ

握り寿司と巻き寿司の違いは、見た目や作り方だけでなく、発祥地や誕生した時代背景にも大きな差があります。巻き寿司は保存や携帯に適した関西の文化から、握り寿司は江戸のスピード文化から生まれました。

その背景を知ると、寿司の世界がもっと豊かに見えてきますよ。

参考文献・出典

※1:柴田書店編集部『すしの本』柴田書店、2005年
※2:石毛直道監修『図説 日本食文化の歴史』農山漁村文化協会、2001年
※3:永山久夫『江戸の食文化を知る』青春出版社、2004年

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