「飛行機ってやっぱり怖い…」「墜落したらどうしよう」
そう感じる方は少なくありません。とくに事故のニュースを見たあとだと、不安がよぎりますよね。
でも実際は、飛行機は地上のどんな乗り物よりも安全な交通手段なんです。
この記事では、
- 飛行機の墜落確率はどれくらい?
- 他のリスクと比べてどれほど低いのか?
- なぜ飛行機はそんなに安全なのか?
- 安心して乗るための考え方
を、統計と科学に基づいてわかりやすく解説します。
結論:飛行機が墜落する確率は、雷に打たれるよりも低く、毎日乗っても生涯ほぼゼロに近い
国際民間航空機関(ICAO)のデータによると、2019年の商業航空機の墜落確率は100万便あたり約0.18件。
つまり、約556万分の1という極めて低い数字です。
🔹 例1:雷に打たれる確率よりも低い
気象庁などのデータによると、日本国内で雷に打たれて死亡する確率は約100万分の1前後。
実は、飛行機の墜落確率はそれよりもさらに低いのです。
雷に当たるよりも、飛行機事故に遭う方が“ずっと稀”だということになります。
🔹 例2:毎日飛行機に乗っても生涯起こらないレベル
ある航空安全機関の試算によると、
毎日飛行機に乗っても、墜落事故に遭うのは5万年以上に1度程度の確率。
つまり、人生100回分生きても1回起きるかどうかのレベルです。
こうして比べてみると、「飛行機=危険」というイメージは、印象の強さからくる錯覚に過ぎないことがわかります。
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なぜ飛行機はこんなにも安全なのか?3つの理由
飛行機の事故はニュースで大きく報じられるため、不安になりやすいですが、
それは逆に言えば「ほとんど起こらないからニュースになる」とも言えます。
飛行機がこれほどまでに安全なのは、主に以下の3つの理由によります。
1. 極めて厳格な整備基準と検査体制
- 飛行機は飛ぶたびに点検されるほど厳しい整備が義務づけられています。
- 定期整備では、エンジン・電気系統・油圧装置など数百項目を検査。
- 故障が起きる前に交換・修理する「予防保守」が徹底されています。
2. 徹底的に訓練されたパイロットとクルー
- パイロットは年間数回のシミュレーター訓練を受け、非常時の対応も想定済み。
- 操縦だけでなく、天候判断・機内トラブル・緊急着陸の対応まで習得。
- 客室乗務員も、避難誘導・減圧・火災時対応などを定期的に訓練。
3. 多重の安全装置と設計思想
- ほとんどの飛行機は冗長性(ダブル・トリプルのバックアップ)を備えた設計。
- たとえばエンジンが1つ止まっても、もう1基で安全に飛行できる構造。
- 気象レーダー・自動操縦・墜落回避システムなども標準装備されています。
墜落が怖い理由は“印象”の問題
人間は、「めったにないけど印象的な出来事(=飛行機事故)」を過大評価しやすい傾向があります。
これは「利用可能性ヒューリスティック」という心理学的効果によるものです。
つまり、実際のリスクは低くても、印象に残ることで“危険”に見えるというわけです。
でも実際には、交通事故のほうがはるかに多く、致命率も高いのです。
交通手段 | 致死率(100億キロメートルあたり) |
---|---|
航空機(旅客) | 約0.05人 |
自動車 | 約3.1人 |
自転車 | 約44人 |
(出典:欧州運輸安全評議会レポートより)
飛行機が怖いときの対処法3つ
- 数字を知って安心感を持つ
→ 墜落確率は556万分の1。雷よりも低く、毎日乗っても生涯起こらないレベル。 - 好きな機内映画や音楽で気を紛らわせる
→ 離陸時・着陸時に特に不安を感じやすい人にはおすすめ。 - 怖がる自分を責めず、“感情の揺れ”として受け入れる
→ 不安になるのは自然なこと。無理に消そうとせず、安心材料と共に向き合いましょう。
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まとめ:飛行機は、統計的にも構造的にも“最も安全な乗り物”のひとつ
飛行機の墜落リスクがどれほど低いかがわかった今、
「雷に打たれたら?外の気温は?ドアが開いたら?」といった疑問にも答える
まとめ記事もぜひあわせてご覧ください。
👉 飛行機に関する不安や疑問をまるっと解決!仕組み・安全・環境の豆知識まとめ
- 墜落確率は雷よりも低く、毎日乗っても5万年以上に1度
- 厳しい整備・訓練・設計によって、高度な安全性が確保されている
- 不安を感じるのは当然。でも、数字と仕組みを知ることで、安心へと変えられます
次に飛行機に乗るときは、
「これだけ安全なものに乗れるのはすごいことだな」と思って、空の旅をゆったり楽しんでみてくださいね。