「キリンって首がめちゃくちゃ長いけど、水を飲むときどうしてるの?」
「そのままでは地面の水に口が届かないのでは?」
そんな疑問、誰でも一度は思ったことがあるかもしれません。あの優雅な立ち姿からは想像もできない、キリンの“水を飲む姿”には、驚きの工夫が隠されているんです。この記事では、キリンがどうやって水を飲んでいるのかを、写真が目に浮かぶような描写でわかりやすく紹介します。
首が長すぎてそのままでは届かない
キリンの首は平均で約1.8〜2.4メートルありますが、体高(肩までの高さ)がすでに3メートルを超えるため、普通に立ったままでは地面の水に口を近づけることができません。
しかも脚も非常に長いため、単に首を前に傾けるだけでは到底届かないのです。ではどうしているのでしょうか?
実は“がに股で脚を広げて”飲んでいる
キリンが水を飲むときは、前脚を大きく左右に開いてがに股のような体勢になり、そこから首を下にぐいっと伸ばして飲みます。
まるでバレリーナが前屈するかのような、ちょっと不自然でユニークな姿です。これにより、ようやく頭を水面に近づけることができるのです。
体勢を保つのは大変!
この姿勢は非常に不安定で、キリンにとっては大きなリスクを伴います。前脚を広げて頭を下げている間は、動きが鈍くなるため、天敵に襲われた場合に逃げ遅れてしまう可能性があるのです。
そのため、キリンは水を飲むときは周囲を警戒しながら、手早く飲んでさっと立ち上がるようにしています。
頭を上げるときは血圧にも注意!
キリンの首は非常に長いため、水を飲んだあとに頭を一気に持ち上げると、重力の影響で血が一気に脳に戻りすぎて危険です。
これを防ぐために、キリンには特別な血圧調整機能があります。
- 太い血管には「逆流防止弁」があり、血液の逆流を防ぐ
- 脳の近くには「スポンジ状の毛細血管網」があり、血圧の急激な変化をやわらげる
- 心臓のポンプ力も非常に強く、重力に逆らって血を送り出せる
これらの仕組みにより、キリンは安全に頭を下げたり上げたりできるのです。
そもそもあまり水を飲まない?
実はキリンは、水をあまり飲まなくても生きていける動物なんです。これは、食べているエサ(アカシアの葉など)に含まれる水分から、水分を効率よく吸収できるから。
また、天敵に襲われるリスクを減らすため、なるべく水場に行かずに済むように進化してきたとも考えられています。
動物園で見るキリンの水飲みシーンも貴重
動物園では、安全な環境でのんびり水を飲むキリンの姿を見ることができます。前脚を開いて首を下げている姿は、普段の優雅な立ち姿とはまったく違っていて、見られるとちょっと得した気分になります。
そして、普段は「立ったまま眠る」という習性をもつキリンですが、座って寝ることもあるんです。水を飲む姿勢と同様に、睡眠にも工夫があることをご存じですか?
詳しくはこちらの記事で解説しています:

まとめ
キリンは、首と脚が長すぎてそのままでは水が飲めないため、がに股のように前脚を広げて首をぐっと下げるユニークな姿勢で水を飲みます。この体勢は天敵に襲われやすくリスクもありますが、キリンは血圧調整などの体の工夫でうまく対応しているのです。
- がに股のように脚を広げて水を飲む
- 首が長く脚も長いため、そのままでは地面に届かない
- 危険な体勢なので短時間で済ませる
- 天敵に襲われやすいため周囲に注意しながら飲む
- 頭を上げるときは血圧が急変しないよう特殊な構造
- 逆流防止弁や毛細血管網などが活躍
- そもそもあまり水を飲まなくても大丈夫な体
- 食物から水分を効率よく摂取している
こんなに優雅な姿の裏に、たくさんの工夫と進化の知恵が詰まっているんですね。