「キリンってずっと立ってるけど、寝るときも立ったままなの?」
「座って寝ることはないの?危なくない?」
そんな素朴な疑問、ちょっと気になりますよね。
実はキリンの睡眠スタイルには、野生動物ならではの深い理由があるんです。この記事では、キリンは本当に立って寝るのか、なぜそうなのか、座ることはあるのか、そして睡眠時間まで、最新の研究や動物園での観察をもとにわかりやすく解説します。
キリンは基本的に立ったまま眠る
結論から言うと、キリンは主に立ったまま眠ります。
これは、草食動物に多く見られる「すぐに逃げられる体勢」を保つための習性です。特に体が大きく立ち上がるのに時間がかかるキリンにとって、寝転ぶことは命に関わるリスクとなります。
浅い眠りは立ったままうとうと
キリンの睡眠は1日あたり平均2〜4時間ほどですが、このほとんどは「ノンレム睡眠」と呼ばれる浅い眠りです。立ったまま目を閉じ、筋肉を使ってバランスを保ちながらうとうとする状態が一般的です。
ただし、野生下ではこれより短い傾向があり、1時間未満しか眠らないという報告もあります。逆に動物園など安全な環境下では、やや長めに眠ることが確認されています。
実は座って眠ることもある
意外かもしれませんが、キリンはときどき座って深い眠り(レム睡眠)をとることがあります。特に動物園のように安心できる場所では、夜間に地面に座って眠る姿も観察されています。
レム睡眠では首を背中に巻きつける
このときのキリンは、体を折りたたむように座り、長い首を背中に巻きつけるようにして眠ります。このユニークな寝姿は、首の筋肉が弛緩し、重さを支えられなくなるレム睡眠時特有のものです。
レム睡眠の時間は非常に短く、1回あたり1〜5分、合計でも1日10分未満とされています。それだけ深い眠りをとることは、野生では危険を伴うということです。
幼いキリンはもっと眠る
成体に比べて、幼いキリンは座って寝ることが多く、睡眠時間も長いと知られています。これは移動能力や警戒心が未熟なためで、親や群れの保護のもと、安全な場所でしっかりと休む必要があるからです。
この違いは、人間の赤ちゃんが長く眠るのと似ていて、成長のためにも重要な役割を果たしています。
なぜ立ったまま寝られるの?キリンの体の秘密
「どうやって立ったまま寝られるの?」と思った方もいるかもしれません。
キリンには、四肢を安定させて立ち姿勢を保持できる構造があります。さらに、脳に血液を送るための特殊な循環器系も発達しており、長時間立ち続けても脳への血流が保たれる仕組みになっているのです。
ただし、馬のような「支えるための関節ロック機能」はキリンには明確には確認されていません。あくまで体幹のバランスと筋力によって立位を維持しています。
動物園では座って寝ていることも
動物園での観察によれば、夜間に監視カメラで首を折って座って寝るキリンの姿が確認されているとの報告があります。外敵のいない安全な環境では、こうした深い眠りをとる時間が増えるのです。
キリンの寝姿から見える野生の知恵
キリンはただ「立って寝ている」わけではなく、野生で生き抜くための進化の結果としてそのスタイルを選んでいます。
浅い眠りを立ったままとり、深い眠りは短時間だけ座ってとる。これが、捕食リスクと体の特性をうまく両立させる、彼らなりの“睡眠戦略”なのです。
まとめ
キリンは基本的に立ったまま眠りますが、深い眠りのときは座って首を背中に巻きつける独特な姿勢をとります。睡眠時間も非常に短く、野生動物としての厳しさが感じられる生態です。
- 浅い眠りは立ったまま
- すぐに逃げられるようにしている
- 野生では1時間未満、動物園では2〜4時間前後
- 深い眠りは座って首を背中に巻く姿勢
- レム睡眠時に見られるレアな寝姿
- 1回数分、1日10分未満程度
- 幼いキリンは座って長く眠る傾向
- 警戒心や筋力が未発達なため
- 特殊な体構造で立ち寝を実現
- 循環器系や体幹バランスによって可能になっている
キリンの寝姿は、一見すると不思議ですが、命を守るための知恵と工夫が詰まっているんですね。