伎楽って何?いつどこから伝わった?起源から歴史、現代への影響まで徹底解説!

伎楽

こんにちは!日本の伝統芸能に興味のある方なら、一度は「伎楽(ぎがく)」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。でも、具体的にどんな芸能なのか、いつ頃から伝わったのかと聞かれると、答えに窮する人も多いかもしれません。今回は、そんな伎楽について、わかりやすく解説していきたいと思います。

伎楽とは?

伎楽とは、中国から伝来した歌舞や演劇のことを指します。伎楽の特徴は、頭全体を覆う表情豊かな仮面を使用し、セリフを伴う演劇的要素を含んでいることです。これは、日本の古来の芸能にはなかった新しい形式でした。

伎楽の伝来と発展

伎楽が日本に伝わったのは、612年に百済(朝鮮半島の古代国家の一つ)の味摩之(みまし)によってもたらされたと考えられています。当時の欽明天皇の時代に、楽器や楽譜とともに伎楽の技術が伝えられました。

その後、聖徳太子の時代には、伎楽専用の舞台「伎座」が設けられ、本格的に上演されるようになりました。奈良時代には、正倉院に伎楽面や衣装が収められるなど、国家的な芸能として確立していきました。伎楽は主に仏教の儀式で上演されましたが、その他の国家的な行事や宮廷の催し物としても行われました。

しかし、平安時代に入ると、伎楽は「散楽(さんがく)」と呼ばれるようになり、民間でも広く親しまれるようになりました。一方で、伎楽そのものは奈良時代後期から平安時代初期にかけて衰退し、代わりに散楽や能が発展していきました。

現代に残る伎楽の魅力

現在、伎楽は奈良の東大寺や薬師寺など、限られた寺院で復元されて上演されています。特に1980年代以降、復元プロジェクトが進められ、1200年以上の時を経て、伝統的な形式で伝承されてきた貴重な芸能を見ることができるようになりました。

私は以前、薬師寺の伎楽を見る機会がありました。色鮮やかな衣装に身を包んだ演者が、頭全体を覆う独特の仮面をつけて舞を舞う姿は、まさに時空を超えた神秘的な光景でした。笛や太鼓の音色とともに繰り広げられる舞は、古の日本人の美意識と信仰心を感じさせるものでした。

まとめ

伎楽は、612年に百済から伝来した歌舞や演劇の総称です。頭全体を覆う表情豊かな仮面を使用し、セリフを伴う演劇的要素を持つ点が、古来の日本芸能とは異なる特徴でした。奈良時代には国家的な芸能として確立しましたが、平安時代には衰退し、散楽や能が発展していきました。

現在では限られた寺院で復元されて上演されていますが、1200年以上の歴史を持つ伝統芸能として、今なお人々を魅了し続けています。日本文化の深淵に触れてみたい方は、ぜひ一度伎楽を鑑賞してみてはいかがでしょうか。きっと、古の日本人の心に思いを馳せる特別な体験ができるはずです。

参考資料
日本芸術文化振興会「文化デジタルライブラリー」
Wikipedia

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