突然の大地震。そのとき、もしあなたがエレベーターの中にいたら、どうしますか?
実際に阪神・淡路大震災や東日本大震災を経験した人たちの話を聞くと、「真っ暗な中で動けなかった」「何が起きているかわからなかった」という声が少なくありません。
この記事では、エレベーター内で地震に遭遇したときに取るべき行動や、現代のエレベーターに備わっている耐震性能、事前の備えなどを徹底解説します。万一のときにも落ち着いて対応できるよう、ぜひ知っておいてください。
地震発生時、エレベーターの中では何が起きる?
大地震が起こると、エレベーターは次のような状態になることがあります。
- 地震感知による緊急停止
- 多くの機種には地震を感知して自動的に停止するシステムがあります。
- 最寄り階に停止する制御システム
- 安全のため、自動で最寄りの階に止まるよう設計されています。
- 停電や通信障害で操作不能になるリスク
- 電力が遮断されると、閉じ込められる可能性があります。
実際、2018年の大阪北部地震では約80件以上の閉じ込めが発生しました。特に古いエレベーターや点検が不十分なものはリスクが高いとされています。
最新エレベーターの耐震性能とは?
現代のエレベーターは、過去の震災を教訓にして耐震対策が進化しています。
- 地震感知センサーと自動停止装置
- 耐震補強された吊りロープとガイドレール
- 非常用電源での最低限の動作維持
- 脱落防止装置とブレーキ強化
特に2011年以降は長周期地震動(ゆっくりと大きく揺れるタイプ)への対応が強化され、超高層ビルでも安全性が高まっています。
東京タワーのような大型構造物の耐震設計とも共通点が多くあります。詳しくは「東京タワーの耐震設計:どの程度の地震まで耐えられるの?徹底解説!」も参考になります。
エレベーター内で取るべき5つの行動
地震時に閉じ込められた場合、以下の行動を意識してください。
- すべての階のボタンを押す
- 最寄りの階で止まる可能性が高くなります。
- 壁にもたれ、手すりをつかむ
- 転倒防止になります。
- ドアが開いたらすぐに脱出
- 二次災害を防ぐため、チャンスを逃さない。
- 非常ボタンで外部に連絡
- 管理センターと通話できる設備があれば活用。
- 落ち着いてその場にとどまる
- 無理に動かず、救助を待つことが安全です。
推奨される姿勢と身の守り方
- しゃがむ
- 頭を保護(バッグなどで)
- 壁に背をつけて揺れに備える
この姿勢により、転倒や落下物によるケガのリスクを最小限に抑えられます。
エレベーター内の備えと自分でできる防災
一部のエレベーターには次のような備えが設置されています:
- 非常用通話装置
- 簡易トイレや水
- 防災マニュアルや懐中電灯
ただし、すべてのエレベーターに装備されているわけではありません。
日常的に使うカバンにミニライトや携帯食、簡易トイレなどを入れておくと安心です。
また、地震の情報や揺れの強さを正しく理解するためには、「震度とマグニチュードの違いと関係を3分で解説」を読んでおくのもおすすめです。
まとめ
地震発生時にエレベーター内にいたら、まずは落ち着いて行動し、安全を確保することが最優先です。現代のエレベーターには優れた耐震機能がありますが、完璧ではありません。
自分の命を守るためには、日頃からの備えと正しい知識が鍵となります。