「痛風って大人の病気じゃないの?」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。実は、まれではあるものの、子供にも痛風が起こることがあります。しかも原因や背景は、大人とは少し異なる点もあるため、見過ごされがちです。
この記事では、子供の痛風について以下のポイントをわかりやすく解説します:
- 子供が痛風になる原因とは?
- どんな症状が出るの?
- 治療や予防に何ができる?
また、大人の痛風との違いや、家族ができるサポートのヒントもお伝えします。
結論:子供でも痛風になるが、極めてまれ。原因は「遺伝」「肥満」「薬」など
子供の痛風は非常に珍しいものの、次のような要因で発症する可能性があります:
- 家族に痛風の人がいる(遺伝的リスク)
- 肥満や生活習慣の乱れ
- 特定の薬剤(利尿薬など)の服用
- 腎臓疾患や抗がん剤治療などによる代謝異常
多くは尿酸値の異常が背景にあり、大人と同様に「関節が突然腫れて痛む」症状が出ます。
子供の痛風とはどんな病気?
痛風は、血液中の尿酸が過剰になり、関節に結晶として沈着して炎症を起こす病気です。
子供の場合も、関節の激痛、赤み、腫れが主な症状ですが、しばしば見逃されたり、別の病気と間違われることもあります。
典型的な症状
- 関節(特に足の親指)に突然の痛みや腫れ
- 関節の赤みと熱感
- 発熱や倦怠感を伴うことも
子供の痛風の主な原因
- 遺伝的な要因
- 痛風の家系では、尿酸代謝に関連する遺伝子の変異を持つことがあり、リスクが高まります。
- 肥満と食生活
- 甘い飲み物やジャンクフードをよく摂る習慣、運動不足は尿酸値を上げる要因となります。
- 特定の薬剤
- 利尿剤や抗がん剤、一部の抗てんかん薬などは尿酸の排泄を妨げることがあります。
- 腎機能の低下
- 慢性腎臓病や化学療法の影響で尿酸が体内にたまりやすくなる場合もあります。
診断方法:痛風かどうかは「血液検査+関節液検査」で判定
- 血液検査:尿酸値を確認
- 関節液検査:尿酸結晶の有無を顕微鏡で確認
- X線・MRI検査:関節の損傷を調べる場合も
子供では感染性関節炎との区別が重要なため、自己判断せず、早めに医師に相談しましょう。
治療法:大人とほぼ同様、でも慎重な対応が必要
- 急性期の対処
- 安静と患部の冷却
- 小児用の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド
- 尿酸値の管理
- 必要に応じて尿酸降下薬を処方
- 生活習慣の見直しによる長期的なコントロール
- 栄養指導と運動習慣の見直し
- プリン体の多い食品(レバー、魚卵、イカなど)を減らす
- 水分をしっかり摂り、代謝を促進
- 甘いジュースの飲みすぎに注意
子供の痛風を防ぐには?日常生活でできる予防策
- バランスの良い食事
- 高プリン食品や果糖の多い清涼飲料の制限
- 適度な運動
- 肥満の防止、代謝改善
- 十分な水分補給
- 尿酸の排出を促進
- 家族歴がある場合の早期対策
- 子供の尿酸値チェック、生活習慣の見直し
関連記事
- 痛風とは?原因・症状・治療・予防までわかりやすく解説
- 子供の痛風を知る前に、大人の痛風の基礎を押さえておきたい方はこちらもどうぞ。
まとめ
子供の痛風は非常にまれですが、生活習慣や遺伝的要因によって発症する可能性があります。激しい関節の痛みが出たときには、放置せずに早めに医師の診断を受けることが大切です。
特に家族に痛風のある方は、食事と運動の見直し、そして尿酸値の定期的なチェックを習慣にしましょう。