12月25日の夜、街を歩いていると、もう門松やお正月の飾りが準備されているのを見かけませんか?
家の中でも、クリスマスケーキを食べ終わった瞬間、「はい、ツリー片付けるよ!」とお母さんが号令をかける……そんな光景も日本の年末あるあるです。
「余韻に浸る暇もない!」
「そもそも、いつ片付けるのが正解なの?」
そんな疑問をお持ちのあなたへ。
実は、クリスマスツリーを25日や26日に大慌てで片付けるのは、世界的に見ると「かなり早い部類」に入る日本の習慣なんです。
この記事では、世界の主流である「ツリーを飾っておく期間」とその理由、そして日本の慌ただしさをどう乗り切るかのヒントを紹介します。
海外では年明けまで飾るのが一般的
もしあなたがヨーロッパやアメリカに住んでいたら、26日にツリーを片付けると言ったら「まだクリスマス期間中だよ!」と驚かれるかもしれません。
国や宗派によって様々ですが、キリスト教圏の多くの地域では、ツリーは年を越して1月上旬まで飾るのが一般的です。
その目安となるのが、1月6日の「公現祭(エピファニー)」です。
「クリスマス」は1日で終わらない
キリスト教の伝統では、12月25日はあくまでクリスマスの「始まり」。
その後、1月6日の公現祭(東方の三博士がイエスを礼拝したことを記念する日)までの12日間を「降誕節(クリスマス・タイド)」と呼び、お祝い期間として扱います。
そのため、「1月6日(またはその直後の週末)まではツリーを飾っておく」という家庭が多いのです。
もちろんアメリカなどでも「年末には片付ける」という人はいますが、日本のように「25日が終わった瞬間に撤収!」というスピード感は、世界でも珍しいと言えるでしょう。
なぜ日本人は「即撤収」するのか?
では、なぜ日本だけがこんなに急ぐのでしょうか?
理由はシンプルで、「お正月」という超・強力なライバルが控えているからです。
日本では古くから、12月13日の「正月事始め」からお正月の準備を始め、28日までには門松などの正月飾りを出すのがマナーとされています(29日は「苦」、31日は「一夜飾り」で縁起が悪いとされるため)。
- 25日: クリスマス終了
- 26〜28日: お正月飾りへの切り替えリミット
この過密スケジュールこそが、日本のツリーが「25日の夜に撤収される宿命」の原因です。
この「切り替えの早さ」は日本の面白い特徴の一つです。他にも「踏切の一時停止」など、日本独自の不思議なルールはたくさんあります。
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今年は「和洋折衷」を楽しんでみる?
もしあなたが「年末のバタバタに疲れた」と感じているなら、今年はあえて「欧米式のゆったり感」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
「ツリーを片付けなきゃ」というプレッシャーを捨てて、年末年始もツリーを出しっぱなしにしてみるのです。
キラキラしたオーナメントは、年末の暗い夜を明るく照らしてくれますし、何より「片付けなきゃ」というタスクが一つ減るだけで、心に余裕が生まれます。
「お正月飾り」と喧嘩しないコツ
「でも、お正月飾りと合わないんじゃ……」と心配なら、少し工夫してみましょう。
ツリーのオーナメントを「赤と金」メインにしたり、足元に和紙を敷いたりすると、不思議と「モダンなお正月飾り」に見えてきます。
文化の違いを楽しむ心の余裕こそが、本当の豊かさかもしれません。
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片付けが面倒なら「1月7日」にやればいい
もし欧米式を取り入れて長く飾るなら、片付けるのは1月7日(松の内明け)あたりがスムーズです。
七草粥を食べて胃腸を休める日に、ゆっくりとツリーを片付ける。
そうすれば、年末の忙しい時期にイライラしながら作業する必要もなくなります。
日本の行事も大切ですが、無理をしてまで守る必要はありません。
「バレンタイン」だって元々の意味とは違う形で日本に定着しました。ツリーの片付けだって、自分流でいいのです。
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FAQ よくある疑問
Q. 海外には「片付けないと不吉」という迷信があると聞いたのですが?
A. はい、一部の地域(イギリスなど)では「公現祭(十二夜)を過ぎても飾っていると不吉」という言い伝えがあります。逆に「2月2日(キャンドルマス)まで飾るべき」という伝統もあり、地域差が大きいです。日本では特に気にする必要はないでしょう。
Q. 日本のしめ飾りはいつまで?
A. 地域によりますが、一般的には「松の内(1月7日)」まで飾ります(関西などは1月15日まで)。ツリーを欧米式で1月6日まで飾ると、ちょうど入れ替わりで片付けることになり、タイミングとしては悪くありません。
まとめ
「クリスマスツリーは25日に片付けるべき」というのは、あくまで日本の住宅事情とカレンダーが生んだローカルルールです。
- 忙しいなら、無理に片付けなくていい
- 海外では年明けまで飾る地域も多い
- 年末は「片付け」より「自分を休める」ことを優先しよう
今年の年末は、ツリーの灯りを眺めながら、こたつでみかんを食べる。そんな「和洋折衷」な夜を過ごしてみるのも、悪くないかもしれませんよ。
