ラジオで聞く「外国製無線は違法」CMの正体。知らずに使うと100万円の罰金?沖縄で多い理由とは

外国製無線

「外国規格の無線機を使うと、法律で罰せられることがあります」
「電波法違反になります」

ラジオを聴いていると、時々こんな少し怖いCMが流れてくることはありませんか?
特に沖縄にお住まいの方や、車でラジオをよく聴く方にとっては、「えっ、私の持ってるスマホやオモチャは大丈夫なの?」と不安になるフレーズかもしれません。

結論から言うと、これは「技適(ぎてき)マーク」がついていない海外規格のトランシーバーやワイヤレス機器への警告です。

「知らなかった」では済まされない電波のルール。
この記事では、なぜ「外国規格の無線」がダメなのか、具体的に何を確認すればいいのかを、法律の難しい言葉を使わずに解説します。

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結論:日本の「電波の交通整理」を守るための警告

まず誤解のないように言っておくと、「海外メーカーの製品だからダメ」という意味ではありません。
海外製でも、iPhoneのように日本国内で正規に売られているものは問題ありません。

このCMが言いたいのは、「日本のルール(技適)を守っていない『外国規格』の製品を使わないで」ということです。

電波は、目に見えない「道路」のようなもの。
救急車、消防車、携帯電話、テレビ放送など、みんなが使う「専用レーン」が決まっています。

海外規格の無線機(特に格安トランシーバーなど)は、日本のレーンを無視して、救急無線や防災無線の邪魔をしてしまう恐れがあるのです。

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「技適マーク」って何?どこを見ればいい?

「技適マーク(技術基準適合証明等のマーク)」とは、郵便マーク(〒)の中にイナズマが入ったようなデザインのマークです。
これがついていれば、「日本の電波ルールに適合していますよ」という証明になります。

  • スマホの場合: 「設定」画面の中にある「認証情報」などで確認できます(iPhoneなら設定→一般→法律に基づく情報)。
  • 無線機・イヤホンの場合: 本体の裏側や、電池パックを入れる場所、パッケージなどにシールが貼ってあります。

なぜ「沖縄」でよく流れるの?

ご質問にあった「特に沖縄でよく聞く気がする」という感覚は、実は正解です。
沖縄総合通信事務所も、外国規格無線機の取り締まりや周知に力を入れています。その背景には、沖縄ならではの事情があると考えられています。

  1. 国際的な往来が多い: 多くの観光客が海外から機器を持ち込む機会が多いこと。
  2. 基地周辺の事情: 米軍基地内では米国の電波法が適用されますが、一歩外に出れば日本の法律が適用されます。フリマアプリやリサイクルショップなどで、米国規格の無線機(日本では使えないもの)が市場に出回りやすい環境があるため、特に注意が呼びかけられています。

知らずに使っているかも? 注意すべき3つの「落とし穴」

「私は無線マニアじゃないから関係ない」と思ったら大間違いです。身近なところにも罠は潜んでいます。

1. ネット通販の「激安トランシーバー」

Amazonや海外通販サイトで、「2台セットで3,000円!」のような激安トランシーバーが売られています。
これらは「FRS」「GMRS」といった海外規格(日本では違法)のまま販売されていることが多く、日本で使用すると電波法違反になる可能性が高いです。

2. 海外並行輸入のスマホ・Wi-Fiルーター

「海外版のスマホの方がカメラのシャッター音が鳴らなくて良い」といった理由で輸入版を買う人がいますが、技適マークがない場合、日本国内でのWi-FiやBluetooth使用は原則として違法になります。(※観光客向けの特例を除く)

3. ペット用の見守りカメラ・ドッグマーカー

海外製のペット用品(迷子探知機など)も要注意です。これらも立派な「無線機」。
「微弱な電波ならいいだろう」と思いがちですが、日本の基準を超えた強い電波を出すものがあり、知らずに重要無線を妨害してしまうリスクがあります。

ネット通販には、こうした「日本では使えない仕様」の製品が混ざっています。
ガジェットを買うときは、「安さ」だけでなく「規格」を見る目を養うことが自分の身を守るコツです。この視点はSDカード選びなどとも共通します。
撮影のプロが教える!写真&動画に最適なSDカードの選び方【失敗しないための完全ガイド】

「使ったらどうなる?」処罰と監視システム

「技適なし」の機器を使用して重要無線を妨害した場合などは、電波法違反として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の対象となります。

「家の中でこっそり使うだけならバレないでしょ?」と思うかもしれません。
しかし、総務省は「DEURAS(デューラス)」という電波監視システムを全国に整備しており、不法電波の発射源を特定できる体制を整えています。

また、最近の機器は電源を入れただけで自動的に位置情報などの電波を発信するものもあります。「通話していないから大丈夫」とは限らないのです。

買う前にこれだけチェック! 3つのポイント

うっかり違法にならないために、購入前にここだけは確認しましょう。

  1. 「技適マーク」はあるか?
    商品ページに「技適取得済み」と書かれているか、パッケージにマークがあるか。
  2. 「日本国内仕様」か?
    説明書が日本語でも、中身が海外規格(FRS/GMRSなど)のままの場合があります。「国内電波法対応」の記載を探しましょう。
  3. 「免許」が必要なタイプではないか?
    技適があっても、免許が必要なハイパワー機(簡易無線など)を無免許で使うと違法です。「特定小電力トランシーバー(免許不要)」と書かれているものが、レジャー用としては安心です。

FAQ よくある小さな疑問

Q. 海外旅行客が持っているスマホはどうなるの?

A. 訪日観光客などが持ち込むスマホについては特例があります。入国から90日以内に限り、技適マークがなくてもWi-FiやBluetoothを使えるルールになっています(ただし、技術基準に適合しているなどの条件あり)。

Q. 「技適マーク」がない製品を持ってるだけでも違法?

A. 持っているだけ(所持)は直ちに違法ではありませんが、電波を出せる状態にしておくと「不法無線局の開設」とみなされる可能性があります。もし手元に技適のないトランシーバーがあるなら、電池を抜いて、使用しないようにしましょう。

まとめ

ラジオのCMが伝えているのは、「安いからといって、規格の合わない無線機を使わないで」というメッセージです。

  • ネットで無線機器を買うときは「技適マーク」を確認する
  • 海外規格のトランシーバー(FRS/GMRS等)は日本では使わない

この2つを守るだけで、あなたはトラブルを回避できますし、社会の安全(救急無線や防災無線)を守ることにもつながります。
まずは今日、手持ちのワイヤレス機器の裏側を見て、あの「イナズママーク」を探してみてください。それだけで安心できますよ。

参考情報

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