毎年5月14日は「温度計の日」。普段何気なく目にしている温度計ですが、その歴史には科学の大きな進歩が詰まっています。
この記事では、「温度計の日ってなに?」「なぜ5月14日なの?」「温度計の雑学や由来は?」といった疑問をわかりやすく解説します。
温度計の日とは?
温度計の日は、1686年5月14日に「ファーレンハイト温度目盛り」で知られるガブリエル・ファーレンハイトが誕生した日にちなんで制定された記念日です。
現在のような精密な温度測定を可能にした水銀温度計の改良や、温度のスケール(華氏)を考案したファーレンハイトの功績をたたえて、気象や理科教育、科学雑学の啓発を目的として設けられました。
ただし、日本において公的な団体(気象庁など)が制定した記念日ではなく、一般に広まった「科学系トリビア記念日」の一つとして知られています。
なぜ5月14日なの?
5月14日は、ファーレンハイト(1686–1736)の誕生日です。彼はドイツ出身の物理学者で、後にオランダを拠点に研究を行い、1714年頃に水銀温度計を完成させたとされています。
つまり「1686年5月14日は温度計の発明日」ではなく、「発明者の誕生日」です。この点は多くの温度計に関する解説で混同されがちですが、科学史的には明確に区別して理解することが大切です。
ファーレンハイトってどんな人?
ガブリエル・ファーレンハイトは、18世紀初頭に精密な温度測定を可能にした功績で知られる物理学者です。
- 水銀温度計の実用化(1714年ごろ)
- 精製された水銀を使い、安定して温度を測れる温度計を作成。
- アルコールよりも信頼性が高く、科学や医療に大きな貢献を果たしました。
- 華氏温度目盛り(°F)の考案(1724年)
- 氷点32°F、沸点212°Fといったスケールを定め、現在もアメリカなどで広く使用されています。
温度計の雑学いろいろ
- 日本では「摂氏(℃)」が主流
- セルシウスというスウェーデンの学者が考案した温度スケール。
- 0℃が氷点、100℃が沸点。
- 気象庁の気温測定はどうやってる?
- 地上から約1.5m、百葉箱という通気性の良い箱の中で、風通しの良い日陰に設置して測定。
- 水銀温度計は今は使えない?
- 現在は毒性の懸念から、電子式やアルコール式が主流。
- 日本でも水銀温度計の製造・輸出入は2017年から原則禁止されています。
- 昔の体温計は「振って戻す」
- 水銀式体温計は、使う前に「シャカシャカ」と振って水銀柱を戻す必要がありました。
温度計の種類と用途
種類 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
水銀温度計 | 医療・研究(旧式) | 高精度・毒性あり |
アルコール温度計 | 気温・冷蔵庫など | 安価・凍りにくい |
電子温度計 | 医療・家庭用 | 測定が早く、安全 |
放射温度計 | 工業・赤外線検知 | 接触せず温度が測れる |
まとめ
- 温度計の日は5月14日
- ファーレンハイトの誕生日を由来とする
- 発明日ではなく、科学者を記念した日
- 水銀温度計の功績は科学に大きな貢献
- 現在は電子式やアルコール式が主流
- 温度計にまつわる雑学も多数あり!
普段はあまり気にしない温度計。でもその背景には、科学の歴史と先人の努力が詰まっているんですね。5月14日はそんな「温度を測る技術」に思いをはせてみるのにぴったりの日です。