「友達に双子がいる」「親戚に三つ子がいる」――
そう聞くと、ちょっと不思議で、ちょっと神秘的な感じがしませんか?
でも、そもそも双子や三つ子ってどうやってできるのでしょうか?
普通は1回の妊娠で1人の赤ちゃんが生まれるのに、どうして複数になるの?遺伝?偶然?
この記事では、双子・三つ子が生まれるしくみや種類、その発生の確率や背景について、わかりやすく解説します。
結論:受精や分裂のタイミングによって複数の赤ちゃんになる
双子や三つ子が生まれるのは、「卵子や受精卵の分裂・排卵の仕方」が通常と異なるためです。
大きく分けると以下の2つのしくみがあります。
- 二卵性(にらんせい):複数の卵子が別々に受精する
- 一卵性(いちらんせい):1つの受精卵が途中で分裂する
この2つのしくみをもとに、双子や三つ子などの多胎妊娠が成立するのです。
【1】二卵性双生児:2つの卵子に2つの精子
- 排卵期に2つの卵子が排卵され、別々の精子と受精
- それぞれが独立して妊娠・着床・成長する
- 性別や顔が違うことも多い
- 遺伝子的には、普通の兄弟姉妹と同じ(50%一致)
このタイプは母体側の体質(排卵しやすさ)や遺伝の影響を受けやすく、
「母や姉が双子を産んでいる」と、やや双子を授かりやすい傾向もあります。
【2】一卵性双生児:1つの卵子と精子 → 分裂
- 1つの受精卵が、受精後に何らかのタイミングで2つに分裂
- 全く同じ遺伝情報を持つので、性別・顔・声がとても似る
- 「ミラーツイン(鏡写しのような双子)」になることも
- 分裂するタイミングによっては、胎盤や羊膜を共有することもあり、妊娠管理が難しくなる場合もある
このタイプは、遺伝の影響は少ないとされています。ほぼ偶然で起きる現象です。
【3】三つ子はどうできる?
三つ子は以下のようなパターンがあります:
- 三卵性:3つの卵子が別々に受精(兄弟姉妹と同じ関係)
- 一卵性+二卵性の混合:1つが分裂して双子+1人
- 一卵性三つ子:1つの受精卵が3つに分かれる(非常に稀)
三つ子以上になると、妊娠・出産のリスクや負担が一気に増すため、医療的な管理が必要不可欠になります。
多胎妊娠はどれくらいの確率で起こるの?
- 自然妊娠での双子の確率:約1〜2%
- 三つ子以上:0.01%未満(数千〜数万人に1組)
なお、不妊治療や排卵誘発剤の使用によって多胎妊娠の確率が上がるため、近年は医療技術の進歩で双子・三つ子の出生例が増えているとも言えます。
双子・三つ子ができやすい体質や要因は?
- 高齢出産(35歳以降):排卵の調節が変化し、二卵性の確率が上がる
- 家族に双子がいる(特に母方)
- 排卵誘発剤・体外受精などの不妊治療
- アフリカ系の人種では自然双子率が高め(欧米・アジア系より)
一卵性の場合は明確な要因は不明で、「偶然の奇跡」とされることが多いです。
まとめ:双子や三つ子は、受精と分裂の不思議な偶然から生まれる
双子や三つ子ができるのは、受精の仕方や、受精卵の分裂のタイミングが自然とは少し違うから。
一卵性か二卵性かによって見た目や体質にも違いが出るほか、医療管理や育児の形も変わってきます。
「多胎妊娠は神秘的」と言われるのは、まさにこの“偶然性”と“奇跡”のような組み合わせがあるからこそ。
身近に双子や三つ子がいる人も、そうでない人も、知っておくと生命のしくみの奥深さに気づかされるかもしれませんね。