スーパーやコンビニでよく見かける「サラダ味」のスナック菓子。
何気なく食べているけれど、ふとこう思ったことはありませんか?
「サラダ味って……野菜の味なの?」
食べてみてもレタスやドレッシングの味はしないし、サラダ要素はどこにもない――。
なのに昔から定番の味として親しまれているこの「サラダ味」。実は、その名称には知られざる歴史と意味が隠されていたのです!
サラダ味=サラダの味ではない!
まず結論から言うと、「サラダ味」とは 野菜の味ではありません。
お菓子業界でいう「サラダ味」は、塩味(しおあじ)+サラダ油の組み合わせを指します。
つまり、
- シンプルに塩で味付け
- サラダ油で揚げる or 仕上げる
この組み合わせが「サラダ味」の正体なのです。
なぜ“塩味”ではなく「サラダ味」と呼ぶのか?
この独特なネーミングが登場したのは1970年代。
米菓メーカーの亀田製菓やカルビーなどが、塩味のおせんべいやスナックを展開する中で、「サラダ油で仕上げたおしゃれな塩味」という印象を持たせるために「サラダ味」という名称を採用しました。
当時の日本では、
- サラダ油=ヘルシー・現代的
- ラードやバターよりも軽い
- 洋風でモダンなイメージ
というイメージが広がっており、「サラダ味」という言葉には“軽くて洗練された味”というマーケティング意図が込められていたのです。
食品業界では「サラダ味」は常識?
実は「サラダ味」というのは、業界的にはある程度共通語になっています。
- 「サラダせんべい」
- 「おかき・サラダ仕立て」
- 「プリッツ・旨サラダ」
など、特に米菓やプレッツェル系のお菓子で広く使われており、「塩味+サラダ油=サラダ味」という感覚が定着しています。
「お菓子の名前の由来って面白い!」と思った方には、「バームクーヘンはどこの国のお菓子?名前の意味と歴史」もおすすめです。
現代の感覚では、やっぱりわかりにくい…
ただし、今の時代に「サラダ味」と言われて正しく理解できる人は意外と少数派。
特に若い世代や外国人からすると、
- 「サラダ=野菜の味?」
- 「ドレッシングの風味なの?」
- 「ヘルシー風の何か?」
というふうに、誤解されがちです。
お菓子の世界には、こうした“ちょっとズレたネーミング”が意外と多いんです。
他にもある!意味が曖昧な味の名前
「サラダ味」以外にも、聞いただけでは内容が分かりにくい味名はたくさんあります。
- コンソメパンチ
→ コンソメ味にスパイスで“パンチがある”という意味 - うすしお味
→ 通常の塩味と何が違う? → あっさりしている印象を強調 - ピザ味
→ どのピザ? → チーズ+トマト+ハーブのイメージだけ
日本のお菓子のネーミングは、味よりも“雰囲気”や“印象”で付けられているものが多く、面白さのひとつでもあります。
ふわっとしたネーミングが多いお菓子の世界をもっと知りたい方は、「マシュマロの語源・歴史・栄養まで」もぜひ読んでみてください。
まとめ:サラダ味は「塩+サラダ油」のことだった!
「サラダ味」は、野菜やドレッシングの味ではなく、「塩味+サラダ油」のシンプルな組み合わせ。
昭和のマーケティングから始まり、今では“日本独自の味名”として定着しています。
その意味を知ると、身近なお菓子もちょっと違った目で見えてきますよね。
次に誰かとお菓子を食べるとき、「ねぇ、サラダ味って何の味か知ってる?」と話題にしてみてください。きっと盛り上がるはずです!