突然ですが、みなさんは「合羽」という言葉を聞いたことがありますか?そう、レインコートのことを指す古風な日本語です。でも、なぜレインコートのことを合羽と呼ぶのでしょうか?いつから使われている言葉なのでしょう?今回は、合羽の由来について、雨の日のお供にぴったりな小話をお届けします。
合羽の語源は「合わせる」と「羽」
合羽の語源は諸説ありますが、有力なのは「合わせる」と「羽」説です。江戸時代、合羽は布や紙を何枚も重ねて作られていました。その様子が鳥の羽が重なり合っているように見えたことから、「合わせ羽」と呼ばれるようになったのだとか[^1]。
時代とともに「合わせ羽」は「合羽」に変化し、現在に至ります。鳥の羽のように水を弾く、雨具の名称としてぴったりですね。
[^1]: 北原保雄. (2011). 明鏡国語辞典. 大修館書店.
合羽の歴史は意外と古い!
合羽という言葉が登場するのは、なんと平安時代までさかのぼります。当時の貴族たちは、雨の日に「烏帽子合羽(えぼしがっぱ)」という装束を身につけていたそうです。これは、頭に被る烏帽子と、体を覆う合羽がセットになった雨具だったようですね[^2]。
江戸時代になると、庶民の間でも合羽が広まります。農作業や旅の必需品として重宝されたのです。当時の合羽は、麻布や紙を漆で固めたもので、現代のレインコートとはずいぶん違った様相だったようです。
[^2]: 八杉佐代子. (2015). 日本の衣服の歴史. 吉川弘文館.
現代の合羽事情
さて、現代の日本でも合羽という言葉は使われています。特に、建設業界では作業用のレインコートを合羽と呼ぶことが多いですね。学校の通学用カッパを合羽と呼ぶ地域もあるようです。
ただ、若い世代を中心に、合羽という言葉を知らない人も増えてきているのが現状です。レインコート、レインウェア、カッパなどの言葉に取って代わられつつあるようですね。
雨の日こそ合羽の語源を思い出して
合羽という言葉は、日本の歴史と文化を感じさせてくれる趣深い言葉です。鳥の羽のように雨を弾く、先人の知恵が詰まった一言ですね。
次に雨の日にレインコートを手にする機会があれば、ぜひ合羽の語源を思い出してみてください。きっと雨の日のお出かけが、ちょっぴり楽しくなるはずですよ。
合羽の由来、いかがでしたか?雨の日が待ち遠しくなったなら、この記事の目的は達成されたも同然です。それでは、素敵な雨の日をお過ごしください!