「歯ぐきが腫れている」「出血することがある」——そんな症状が出ているなら、歯肉炎や歯周病のサインかもしれません。
この記事では、歯ぐきのトラブルでよく混同されがちな「歯肉炎」と「歯周病」の違いを中心に、原因・症状・予防法・治療法を歯科医療の視点でわかりやすく解説します。
歯肉炎とは?|歯ぐきの炎症、初期段階で気づけるかがカギ
歯肉炎は、歯ぐき(歯肉)に限定された炎症です。
歯の表面に付着した歯垢(プラーク)が原因で、歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きのときに出血するようになります。
この段階ではまだ、歯を支える骨や組織へのダメージはなく、正しいケアで回復可能(可逆性)です。
歯肉炎の主な症状
- 歯ぐきの赤み・腫れ
- 歯磨き時の出血
- 軽度の口臭
- 触るとやや敏感・違和感
歯周病とは?|歯肉炎が進行して骨が溶ける深刻な疾患
歯周病は、歯肉炎が進行して、歯の周囲の骨(歯槽骨)や歯根膜などの支持組織にまで炎症が及んだ状態です。
放置すると、歯がグラつき、やがて抜けてしまうこともあります。
歯周病の主な症状
- 歯ぐきの出血・腫れ・痛み
- 歯のグラつき
- 歯ぐきが下がり、歯が長く見える
- 歯間が広がる、食べ物が詰まりやすくなる
- 強い口臭
歯肉炎と歯周病の違いはどこにある?
比較項目 | 歯肉炎 | 歯周病 |
---|---|---|
炎症の範囲 | 歯ぐきのみ | 歯槽骨や歯根膜まで進行 |
可逆性 | 改善可能(軽度) | 一度進行すると完全回復は難しい |
症状の重さ | 出血・腫れが中心 | グラつき・骨の吸収・脱落のリスクあり |
治療の難易度 | セルフケア+クリーニングで改善 | 外科的処置や長期管理が必要なケースも |
歯肉炎や歯周病によって、歯ぐきの炎症や腫れとともに、口臭が強くなるケースもあります。
▶ 口臭の原因をタイプ別にまとめた対策記事はこちら
原因はどちらも「プラーク(歯垢)」
歯肉炎も歯周病も、根本原因は歯と歯ぐきの間に溜まった細菌のかたまり=プラークです。
- 正しい歯磨きができていない
- 歯間ケアが不足している
- タバコや糖尿病などリスク因子がある
といった状態が続くと、炎症が進行していきます。
予防法|共通して重要なのは「セルフケア+定期検診」
歯肉炎・歯周病ともに、原因となるプラークをいかに取り除くかがカギです。
毎日のセルフケアのポイント
- 歯と歯ぐきの境目を意識したブラッシング
- 歯間ブラシ・フロスの併用
- 1日2回以上、1回3〜5分を目安に丁寧に
- 抗菌・抗炎症成分の歯磨き粉を使う
歯科医院でのケア
- 3〜6ヶ月に1回の定期検診
- スケーリング(歯石除去)やPMTC(専門クリーニング)
- 歯周ポケットのチェック
歯肉炎・歯周病の治療法
歯肉炎の場合
- プラーク除去による自然治癒が中心
- 正しい歯磨き習慣+歯科クリーニングで改善可能
歯周病の場合
進行度に応じて、以下のような治療が行われます:
- スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
- 抗菌薬の塗布や内服
- 歯周外科手術(フラップ手術、再生療法など)
重度の場合は長期的な管理が必要になります。
おすすめの歯周ケア歯磨き粉
歯肉炎・歯周病予防には、殺菌・抗炎症成分入りの薬用歯磨き粉が有効です。
- 天然生薬トウキ配合:血行促進・抗炎症
- 殺菌成分IPMPで歯周病菌にアプローチ
- 泡立ち控えめで歯周ポケットに届きやすい
- 毎日使えるスパイシーミントの爽快感
関連リンク
歯周病の進行や原因、詳しい症状についてはこちらも参考に:
▶ 歯周病とは?原因・症状・予防法をやさしく解説|おすすめ歯磨き粉も紹介
まとめ
- 歯肉炎は歯ぐきの軽い炎症、歯周病は骨まで進行した病気
- どちらもプラークが原因で、セルフケアが重要
- 歯肉炎は改善しやすいが、歯周病は早期発見がカギ
- 正しい歯磨きと歯科医院の受診で、予防と進行防止を
「なんとなく気になるな」と思ったら、それが初期のサインかもしれません。
気づいた今こそ、口腔ケアを見直すチャンスです。