「高齢者マークって70歳になったら貼らないといけないの?」
「貼っていないと罰金になるの?」
そんな素朴な疑問、意外と多いですよね。
実はこの「高齢者マーク」、正式には「高齢運転者標識」といい、70歳以上のドライバーを対象にした運転支援マークです。任意なのか義務なのか、違反するとどうなるのか、誤解されがちな情報も多いため、この記事では正確かつわかりやすく解説します。
この記事を読めば、高齢者マークの意味、法律上の位置づけ、実際の使用率や罰則まで一通り理解できます。
結論:70歳以上は任意。ただし「命令された場合」は義務に
- 高齢者マークは基本的に70歳以上のドライバーが対象
- 貼るかどうかは原則「任意」
- ただし、認知症などの理由で公安委員会から「表示命令」が出た場合は義務化
- 表示義務があるのに貼らない場合は反則金または罰金の対象
高齢者マークとは?
正式名称は「高齢運転者標識」。道路交通法第71条の5に基づく標識で、周囲の車に対して「高齢者が運転しています」ということを知らせる役割があります。
現在は、以下の2種類のデザインがあります。
- もみじマーク(旧デザイン)
- オレンジと黄色の紅葉型
- 現在は推奨されていません
- 四つ葉マーク(現行デザイン)
- 緑・黄・オレンジの四葉型
- よりポジティブなイメージと視認性を意識して導入
対象年齢は何歳から?
道路交通法では、70歳以上の運転者が対象です。70歳になった誕生日以降、いつでも表示できます。
表示は義務?任意?
基本的には任意です。ただし、以下のようなケースでは義務化されます。
義務化されるケース
75歳以上の運転者が免許更新時に認知機能検査を受け、以下の流れになった場合です。
- 検査で「認知症のおそれあり」と判定される
- 医師の診断を受け、「認知症」と診断される
- 公安委員会が「運転に支障あり」と判断し、
- 高齢者マークの表示を命じた場合
→ この場合に限り、「表示義務」が発生します。
このような命令を受けたにもかかわらずマークを貼らなかった場合、違反行為となります。
表示場所はどこ?
車両の前後の見やすい位置に貼ることが推奨されています。以下が目安です。
- リアガラス右側(または中央寄り)
- フロントガラス(必要に応じて)
※貼り付けにくい場合は、マグネット式や吸盤タイプも市販されています。
貼っていないと罰則がある?
原則として任意なので罰則はありません。
ただし、「公安委員会からの表示命令」を受けた場合に貼っていないと…
- 5万円以下の罰金
- または反則金の納付
といった処分の対象になることがあります。
どれくらいの人が貼っているの?
2021年の警察庁調査によると、70歳以上のドライバーのうち約48%が高齢者マークを表示していたというデータがあります。
つまり半数以上の人は貼っていないのが現状です。
高齢者マークのメリット
高齢者マークには、以下のような実用的・心理的メリットがあります。
- 他の車が距離を取ってくれる
- 急なブレーキや曲がり方が遅くてもトラブルになりにくい
- 周囲の配慮を引き出せる
- クラクションを鳴らされにくくなるなど、精神的に安心
- 自分自身の安全意識が高まる
- マークを貼ることで「慎重に運転しよう」という意識が芽生える
どこで買える?
- カー用品店
- ホームセンター
- Amazonなどのネット通販
- 100円ショップで販売されることも
価格帯は100円〜500円程度です。
なぜ貼らない人が多いの?
「高齢者扱いされたくない」「かえってあおられるのでは?」という心理的抵抗が大きいとされています。
また、「貼る義務がない」と知っているため、必要性を感じない人も多いようです。
認知症と高齢者マークの関係
実は、高齢者マークの義務化が発生する唯一の条件が「認知症の診断」です。
詳しくは以下の記事でも紹介しています:
👉 認知症は何人に1人が発症する?年代別の確率と人種によるリスク差をわかりやすく解説
まとめ
高齢者マークは「70歳以上が任意で表示する運転支援マーク」です。ただし、公安委員会から命令が出た場合は義務化され、未表示には罰則があります。
安全運転の意識を高め、周囲への配慮にもつながるシンボルとして、積極的な活用が望まれます。