「大雨警報が出ました」「特別警報が発表されました」――
テレビやスマホの通知で見かける「警報級の大雨」という表現。
でも実際、どのくらいの雨を指しているのかピンとこない人も多いのではないでしょうか?
この記事では、警報級の大雨とはどの程度の雨なのかをわかりやすい例えを使って説明し、あわせて警報が出される気象庁の基準や注意点も丁寧に解説します。
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警報級の大雨とは?どれくらいの量?
気象庁が「警報級の大雨」と表現するのは、たとえば1時間あたり80ミリ以上の非常に激しい雨が想定されるときです。
これは、バケツをひっくり返したような雨どころか、目の前が白く見えなくなるほどの豪雨です。
わかりやすく例えるなら――
- バケツ1杯(約10リットル)の水が、1平方メートルあたり1時間でザーッと降り注ぐレベル
- 車のワイパーが全く追いつかない
- 1日で150ミリ以上降れば、土砂災害のリスクが急激に高まる
このような雨が続けば、河川の増水、道路の冠水、地盤の緩みによる土砂崩れなど、広範囲に深刻な被害を及ぼします。
警報が出される基準とは?
気象庁が大雨警報を出すのは、雨量が人々の命に関わるレベルになると予測されたときです。主な基準は以下のとおりです(地域によって異なる場合があります)。
- 1時間雨量:80ミリ以上
- 3時間雨量:100ミリ以上
- 24時間雨量:150ミリを超える恐れがある場合
また、これらの基準だけでなく、過去の災害事例や現在の地盤状況、台風・前線の影響なども加味されます。
警報級の大雨がもたらす被害と日頃の備え
- 河川の氾濫(堤防決壊・越水)
- 道路や住宅の浸水
- 土砂災害(がけ崩れ・土石流)
- 地下街や低地への水の逆流
- 交通機関の麻痺
これらの災害は、都市部・山間部問わずどこでも起こりうるものです。
そのため、普段から以下のような備えを意識しておきましょう。
- 自治体のハザードマップで自宅周辺の危険エリアを確認
- 避難場所・避難ルートを家族で共有
- 非常用持ち出し袋の準備(1人3日分が基本)
- スマホで警報通知アプリを入れておく(Yahoo!防災速報など)
春先や台風シーズンには、突風や大雨が同時に起こることもあります。
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大雨の時に注意すべき行動とは?
警報級の雨が降っているとき、絶対にやってはいけないことは以下のような行動です。
- 冠水した道路に車で入る → 車ごと流されることも
- 増水した川を見に行く → ほんの一瞬で足を取られます
- 土砂災害警戒区域のがけ下に留まる → 夜間の崩落は特に危険
- 地下施設にとどまる → 雨水が一気に流入する恐れあり
「ちょっと見に行くだけ」「大丈夫だろう」という油断が、命取りになるケースも少なくありません。
警報が出たら、外出を控え、安全な場所で情報を確認するのが原則です。
まとめ:警報級の大雨を“正しく恐れる”ために
- 警報級の大雨とは、1時間に80ミリ以上、24時間で150ミリ以上の非常に激しい雨
- バケツをひっくり返したようなレベルを想像すると分かりやすい
- 警報発表時は、命を守るための行動が最優先
- 普段からハザードマップ確認や避難ルート把握を
「想像できないこと」こそが、最大のリスクです。
身近な言葉で理解し、正しい備えと行動で命を守りましょう。