「春節」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?中国人観光客の帰省ラッシュ、大量の爆竹、赤い飾りやお年玉…。でも、実際にはどんな日で、どう祝われるのかは意外と知られていませんよね。
この記事では、中国やベトナムなどで盛大に祝われる春節(旧正月)について、日程、風習、食文化、現代の変化まで、3分でわかるように簡潔に解説します。
春節とは?いつどんなふうに祝うの?
春節(しゅんせつ)は、旧暦の1月1日、つまり太陰暦の元旦にあたる日で、中国をはじめ韓国(ソルラル)やベトナム(テト)など、アジア諸国で広く祝われる「旧正月」のことです。日本でいうお正月に相当しますが、その規模は桁違い。家族、地域、国をあげて祝う一大行事です。
- 2025年の春節期間
- 除夕(旧暦の大晦日):1月28日(火)
- 春節当日:1月29日(水)
- 公式休暇:1月28日〜2月4日(約8日間)
- 実際の祝祭期間:15日間(元宵節まで)
春節の主な行事とその意味
除夕(大晦日)
- 家族が集まり、団欒の時間を過ごす日
- 北方では餃子、南方では年糕(ねんこう=餅)を作る
- 紅包(ホンバオ=お年玉)を用意
- カウントダウン番組を観る
- 爆竹や花火で邪気を祓う
春節当日(元旦)
- 家族や親戚への挨拶回り
- 紅包の受け渡し
- 廟会(びょうえ)という地域の祭りに参加
- 特別な祝い料理を囲む
2日目以降〜元宵節(15日目)
- 親戚・友人訪問
- 地域のイベント
- 元宵節には「ちょうちん祭り」「白玉団子(元宵・タンユエン)」などで締めくくり
春節の「元宵節」は、実はちょうちん祭りの原型とも言われ、幻想的な風景が広がります。
伝統的な習慣と食文化
新年準備の習慣
- 大掃除(旧年の厄を払い、新しい福を呼び込む)
- 春聯(しゅんれん)や年画を玄関に貼る
- 新しい服を準備(特に赤い色が好まれる)
代表的な食べ物
- 北方:餃子
- 金運の象徴(財布の形)
- 南方:年糕、タンユエン
- 縁起の良い言葉と音が重なる
- 共通の縁起食材
- 魚(余=「富が余る」の語呂)
- 長寿麺(長生きの象徴)
春節のタブー
- 掃除をしない(福を掃き出さない)
- はさみを使わない(縁を切る)
- 借金を持ち越さない
- 初日に泣かない(不吉の象徴)
現代の春節:進化する伝統
世界最大の民族大移動「春運」
- 数億人が都市から地方へ帰省
- 飛行機・鉄道・高速道路が大混雑
- 交通機関の予約は争奪戦状態
SNSとデジタル化
- 電子紅包の普及(WeChatなどで送金)
- バーチャル年賀や動画挨拶が主流に
- 若者層では伝統行事の簡略化も進行中
経済的なインパクト
- 小売、飲食、旅行業界が一年で最も稼ぐ時期
- 観光施設や百貨店は特別営業
- 「春節セール」なども盛んに行われる
中国文化の影響については、
チャイナドレスの起源とは?どんな時に着るの?
で衣装文化からも感じることができます。
また、同じ中国の重要祝日「国慶節」については、
国慶節ってどういう日?建国と黄金週の意味を解説
も併せて読むと理解が深まります。
まとめ
春節は、旧暦の新年を祝うアジア文化圏最大の行事です。中国を中心に15日間にもわたるイベントが繰り広げられ、伝統と現代が融合した独自の正月文化が息づいています。
年越しに食べる料理、飾り、挨拶、移動ラッシュ…。そのすべてに意味が込められており、私たちが異文化を理解する絶好のチャンスでもあります。
街に赤い装飾が増えたり、中国からの観光客が増えたら、それは春節の始まりのサインかもしれません。ぜひその時期に少し注目してみてくださいね。