初めてニューヨークを訪れたとき、セントラルパークでのんびりしていたら、リスが目の前をすたすたと横切ってびっくり!
人をまったく恐れず、ふさふさの尻尾を揺らして歩く姿に、思わず「可愛い!」と声を上げてしまった方も多いのではないでしょうか。
実はこの反応、観光客あるある。ニューヨークの住民にとっては、リスはもはや“隣人”のような存在なのです。
今回は、現地の友人たちの話をもとに、リスの多さの理由や、住民のリアルな声、そして共生のための知恵をお届けします。
結論:都市と自然のはざまで生きる“街の住人”
ニューヨークのリスは、150年以上前から意図的に公園に導入され、都市環境に適応して繁殖してきた存在です。
市民の多くは、その愛らしさに癒されつつも、トラブルも経験しながら、知恵と工夫で共生を続けています。
なぜこんなにリスが多いのか?
歴史的な背景
1870年代、セントラルパーク完成後に「自然との調和」を目指した都市計画の一環として、リスが放されました。
当時の思想は、都市に自然の要素を取り入れ、人々の心を豊かにするというものでした。
繁殖力と生存環境の好条件
- 主に見られるのは「アメリカアカリス」
- 都市部では寿命が5〜6年と長め
- 年2回の繁殖で個体数が増えやすい
- 天敵(フクロウ・タカなど)が少なく、外敵リスクが低い
- 人間の活動によって食料源が豊富(落ちた食べ物、ゴミなど)
市民の声:リスとの暮らし、どう感じてる?
愛される存在
「うちの娘は、家の前に来るリスに“ピーナッツ”って名前つけてて、毎朝窓から話しかけてるんです」
(マンハッタン在住・エミリー)
「観光客の子どもたちが『リス!リス!』って大騒ぎするのを見ると、こっちまで微笑んじゃいます」
(公園整備スタッフ)
困ることも…
「去年、屋根裏に巣を作られて業者を呼ぶ羽目に。あれは本当に大変だった」
(クイーンズ在住・マイケル)
「庭に植えたチューリップの球根、全部掘り返されたのよ。泣くに泣けないわ」
(ブルックリン在住・ジェニファー)
リスの習性と生態、ちょっと豆知識
- 活動時間:朝と夕方に活発。秋は冬越しの準備で特に忙しい。
- 行動パターン:木の実を集めてあちこちに埋めるが、8割近くは忘れる。
- → その結果、木の実が発芽し、森林再生に貢献することも。
トラブルを減らす共生の知恵
- 餌付けを控える(依存や増殖を防ぐ)
- 屋根や壁の隙間を点検・ふさぐ
- 球根植物はネットで保護する
- ゴミ箱には必ずしっかりした蓋を
都市と野生動物の新しい関係
ボストンやシカゴなど、他の大都市でもリスは“定住者”。
研究者の中には、都市で暮らすリスを通じて「人間と自然のバランス」を探ろうとする人も増えています。
「リスはこの街が自然と共に生きる力を持っている証だ」と語った都市計画の友人の言葉が、今も心に残っています。
まとめ
- ニューヨークのリスは、公園に自然を呼び戻す目的で導入された
- 都市環境に適応し、繁殖しやすい条件がそろっている
- 市民の中にはリスを愛する人もいれば、被害に困る人も
- 小さな工夫でトラブルを減らし、共生を続けている
- リスは都市の中で“自然との共生”を考えるきっかけにもなっている