寒い朝、布団から出たくない経験は誰にでもあるはず。今回は、人間の体の仕組みから、この現象の理由を探っていきましょう。
【余談】「起きられない」と「起きれない」、どちらが正しい?
「起きれない」は、「ら抜き言葉」と呼ばれる比較的新しい言い方です。文法的には「起きられない」が正しい日本語とされています。ただし、「起きれない」は若い世代を中心に広く使われており、日常会話では定着しつつあります。本記事では正しい日本語の「起きられない」を使用します。
体の中で起きていること
寒い朝に起きられない原因は、体温、ホルモン、体内時計という3つの要素が密接に関係しています。
- 体温のリズム
– 朝方は1日で最も体温が低い
– 寒さでさらに体温が下がる
– 代謝が遅くなる
– 体を動かすエネルギーが不足 - 3つのホルモンの働き
– メラトニン(睡眠ホルモン)がまだ多い
– セロトニン(覚醒ホルモン)が少ない
– コルチゾール(目覚めのホルモン)の分泌が遅れる
– 光不足でホルモンバランスが崩れやすい - 体内時計への影響
– 日の出が遅く、朝の光が弱い
– 光による目覚めの合図が弱い
– 体が活動モードに切り替わりにくい
– 冬は睡眠時間が長くなりがち
快適に起きるためのポイント
- 寝室の環境作り
– 室温を18-20度に保つ
– 加湿器で適度な湿度を確保
– 暖かい寝具を用意
– 起床30分前から暖房を入れる - 二度寝防止の具体策
– 目覚まし時計を手の届かない場所に
– 起きたらすぐにカーテンを開ける
– スマートフォンは遠ざける
– 朝食の準備を前夜にしておく - 体内時計を整える
– 規則正しい就寝時間
– 朝の光を積極的に浴びる
– 日中の適度な運動
– 夜更かしを避ける
朝の目覚めを改善する習慣
- 起床直後のルーティン
– 大きく深呼吸をする
– 軽いストレッチで体を温める
– コップ1杯の水を飲む
– 顔を洗って体を刺激する - 朝食のポイント
– 温かい食事を選ぶ
– タンパク質を含むメニュー
– 果物などのビタミン補給
– 早めの朝食で代謝アップ
まとめ
寒い朝に起きられないのは、体温の低下、ホルモンバランス、体内時計の乱れが重なって起こる自然な反応です。急激な生活リズムの変更は逆効果になりやすいので、少しずつ環境を整え、体に優しい方法で改善を目指しましょう。
特に重要なのは、光と温度の管理です。朝の光を積極的に取り入れ、適切な室温管理を心がけることで、体は自然と活動モードに切り替わりやすくなります。寒い季節こそ、体調管理に気を配って、快適な朝を迎えられるよう工夫していきましょう。
※生活リズムの改善は、一人一人の生活環境や体調に合わせて進めることが大切です。無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。