「サルモネラ菌」という名前、聞いたことはあるけれど、具体的に何が危険で、どんな食品に気をつければいいのかよくわからない…という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、サルモネラ菌の特徴や感染リスク、注意すべき食品、家庭でできる予防法までをわかりやすく解説します。
サルモネラ菌とは?
サルモネラ菌は、人や動物の腸内に存在する細菌で、食中毒の原因菌として非常に有名です。自然界に広く分布しており、健康な動物の体内にも見られることがあります。
日本では、食中毒事件の上位原因菌のひとつとして毎年報告されており、感染力が強く、症状も比較的重く出やすいのが特徴です。
感染するとどうなる?主な症状
サルモネラ菌に感染すると、経口感染(菌が付着したものを口から摂取)によって次のような症状が出ます。
- 激しい腹痛
- 下痢(水様性・血便の場合もあり)
- 発熱(38度以上の高熱になることも)
- 吐き気・嘔吐
- 頭痛や全身のだるさ
潜伏期間は6〜72時間。症状は通常3〜7日ほどで回復しますが、子どもや高齢者、免疫力が低下している人は重症化しやすく、注意が必要です。
どんな食品に気をつけるべき?
サルモネラ菌は、さまざまな食品から検出される可能性がありますが、特に注意すべきは以下のものです。
1. 生肉・加熱不十分な肉
- 鶏肉(特に生焼け状態)
- 豚肉・牛肉のレア調理
- 焼き鳥や鶏刺しなど
サルモネラ菌は加熱で死滅するため、肉類は中心部までしっかり火を通すことが重要です。
2. 加工肉製品
- 生ハム、サラミ、コンビーフなどの加熱工程が不十分な製品
- 海外製の加熱されていない加工肉は特に注意が必要
表示を確認し、「加熱済み」でない場合は加熱調理するのが安全です。
3. 生卵・卵を含む料理
- 卵かけごはん、手作りマヨネーズなど
- 特に夏場や室温保存された卵はリスクが上がる
日本では衛生管理が進んでいますが、それでもサルモネラ菌は卵の殻表面や内部から検出されることがあります。
4. 生野菜や果物
- 土壌や家畜のフンなどから二次的に付着することも
- サンドイッチの生野菜など調理後の二次汚染もリスクあり
よく洗う、まな板や包丁の使い分けを徹底することが大切です。
どれくらい危険?致死率や後遺症は?
健康な成人が感染した場合、数日で自然回復することが多いですが、以下のようなケースでは深刻な状態になることもあります。
- 乳幼児・高齢者:重度の脱水、痙攣、意識障害などのリスク
- 免疫不全の人(がん治療中・糖尿病など):敗血症・菌血症へ進行する危険性
- 治療が遅れると、まれに死亡例も報告されています
また、一部の患者では関節炎などの合併症(反応性関節炎)が数週間後に出るケースもあるため、自己判断で放置するのは禁物です。
家庭でできるサルモネラ菌対策
日常の食生活でサルモネラ菌を防ぐには、以下のような対策が効果的です。
🔸 食材はしっかり加熱
- 鶏肉・卵・ハンバーグなど、中心温度75℃以上で1分以上を目安に
- 電子レンジ加熱はムラが出やすいので要注意
🔸 生肉に触れた手や調理器具はすぐに洗う
- 包丁・まな板・ふきんなど、肉用と野菜用は分けて使用
- 手洗いは石けんで30秒以上しっかりと
🔸 卵は購入後すぐに冷蔵庫へ
- 夏場は特に注意。常温保存はNG
- ひびが入った卵は使わないこと
🔸 子どもや高齢者には生食を控える
- 生卵や生焼けの鶏肉料理は避ける
- 冷蔵食品も「期限内・冷蔵保存」を徹底
まとめ:サルモネラ菌は見えないからこそ「基本の対策」が大事
- サルモネラ菌は腸内に存在する細菌で、食中毒の代表的な原因菌のひとつ
- 生肉・卵・加工肉などが主な感染源で、加熱と衛生管理で予防が可能
- 健康な人でも腹痛・発熱・下痢など強い症状が出ることがある
- 子ども・高齢者・免疫力の弱い人は重症化リスクがあるため特に注意
「加熱」「清潔」「早めの保存」——この3つの基本が、サルモネラ菌から身を守る最大のポイントです。
安心して食事を楽しむために、今一度食材の扱い方を見直してみましょう。