ラッコの寿命は何年?野生と飼育下での違いは?わかりやすく解説。

水族館のラッコ

2024年5月9日、三重県鳥羽市の鳥羽水族館で飼育されているラッコの「メイちゃん」が、20歳の誕生日を迎えました。この長寿を祝い、鳥羽市は「ふるさと応援大使」にメイちゃんを任命。話題を集めています。

そこで気になるのが、「ラッコの寿命ってどのくらいなの?」という疑問。野生と飼育下では、寿命に違いがあるのでしょうか?今回は、ラッコ好きライターの私が、メイちゃんの事例を交えながら、ラッコの寿命の秘密に迫ります!

野生ラッコの平均寿命は10〜15年

ラッコは、イタチ科に属する海棲哺乳類。北太平洋沿岸に生息し、貝類やウニ、魚などを主食としています。野生のラッコの平均寿命は、10〜15年程度といわれています。メスの一部は最適な条件下で20年まで生きることもあります(A-Z AnimalsAnimal Atlantes)。

ただし、この数字はあくまで平均値。個体差が大きく、最長で20年以上生きるラッコもいれば、1歳で死亡するラッコもいます。寿命に影響する要因としては、以下のようなものが挙げられます。

食料の豊富さ

ラッコは1日の3分の1を食事に費やし、体重の20〜30%もの食料を必要とします。その主食である貝類やウニの豊富さが、ラッコの寿命に大きく影響します(Animal Atlantes)。

天敵の存在

ラッコの天敵としては、シャチやサメ、オオワシなどが知られています。これらの天敵から身を守ることができるかどうかが、寿命を左右する要因の1つです(Animal AtlantesWikipedia)。

環境汚染

ラッコは、海洋汚染の影響を受けやすい生物です。油流出事故などによる海の汚染は、ラッコの健康状態を悪化させ、寿命を縮める原因となります(Wikipedia)。

飼育下のラッコは、野生よりも長生き

一方、水族館などで飼育されているラッコは、野生のラッコよりも長生きする傾向にあります。その理由は、以下の3つが考えられます。

安定した食料の確保

飼育下のラッコは、栄養バランスの取れた食事を安定して与えられます。野生とは異なり、食料不足に悩まされることがないため、健康状態を維持しやすいのです(Frosty Arctic)。

天敵や事故のリスクがない

飼育下では、天敵に襲われるリスクがありません。また、岩場での怪我や溺れなどの事故も、ほぼ起こりえません。安全な環境で暮らせることが、長寿につながっています(Frosty Arctic)。

病気の早期発見と治療

飼育員による日々の健康チェックにより、病気の兆候をいち早く発見できます。早期治療により、病気が重篤化するリスクを下げられるため、寿命が延びるのです(Frosty Arctic)。

実際、飼育下のラッコの最長寿命は、25年以上という報告もあります。シアトル水族館のエティカというメスのラッコは28歳まで生き、これが飼育下での最長記録とされています(Frosty Arctic)。鳥羽水族館のメイちゃんも、20歳という高齢ながら元気に過ごしています。飼育下では、野生よりも10年以上長生きするのは珍しくないようです。

適切な飼育環境と愛情が、ラッコの寿命を延ばす

メイちゃんが20歳の誕生日を迎えられたのは、鳥羽水族館スタッフの適切な飼育と献身的な愛情あってこそです。ラッコに合わせた水槽の設計、栄養管理、健康チェックなど、細やかなケアが実を結んだのです。

飼育下のラッコたちが、野生よりも長生きできるのは、まさに人間の力によるものです。ラッコたちが心豊かに暮らせる環境を整備し、愛情を注ぐことが、私たち人間の責任といえるでしょう。

これからも、メイちゃんをはじめとするラッコたちが、健康で幸せに暮らせますように。そして、私たち人間がラッコから学ぶことも多いはずです。メイちゃんの今後の活躍に期待が高まります!

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