飛行機に乗っているとき、外がピカッと光ったりゴロゴロと雷鳴が聞こえると、
「まさか雷に打たれたりしないよね…?」と不安になることはありませんか?
実は、飛行機が雷に打たれることは珍しいことではありません。
ですが、その大半は安全に着陸できており、乗客に大きな危害は及びません。
この記事では、
- 飛行機が雷に打たれる確率はどれくらいか?
- 実際に打たれたらどうなるのか?
- どんな対策が施されているのか?
- 実際に発生した事例とその影響
を、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
結論:飛行機は年に1〜2回雷に打たれる設計。でも安全性は確保されている
- 商業機は平均して年に1〜2回は雷に打たれる
- 多くの場合、音や光、軽い揺れを感じるだけで問題なく着陸可能
- 現代の旅客機は、雷対策が徹底されており安全性は非常に高い
それでは詳しく見ていきましょう。
飛行機が雷に打たれる確率は?
年に1〜2回は打たれているのが現実
アメリカ連邦航空局(FAA)によると、商業航空機は平均して年に1〜2回の頻度で雷に打たれていると報告されています。
つまり、雷に打たれること自体は“想定内”の現象なのです。
とはいえ、1機あたりで見れば確率は年間で約0.1%程度とされており、非常にまれなケースに見舞われるというわけではありません。
雷に打たれると何が起きるのか?
現代の旅客機は、雷に打たれることを前提に設計されています。主な対策は以下の通りです:
🔸 機体素材と放電の仕組み
- 機体は導電性の高いアルミニウム合金や炭素繊維複合材でできており、
雷の電流は機体表面を流れて後方へ放電されます。 - 乗客のいる機内には電流が入ってこない設計になっています。
🔸 電子機器の保護
- コックピットや通信機器、ナビゲーションシステムなどの重要機器には電磁シールド(EMI保護)が施されています。
- 落雷によるシステム障害が起きないよう、冗長構造とバックアップ回路が備わっています。
🔸 乗客が感じる影響は?
- 窓の外で「バチッ!」という光や音
- 機体のわずかな振動
- 基本的にはそのまま通常通り飛行・着陸できるレベルの現象です
実際にあった「雷に打たれた事例」
実際の被雷による事故は非常にまれですが、過去に深刻な影響を及ぼしたケースも存在します。
1. 2019年 アエロフロート1492便(スホーイ・スーパージェット100)
- 離陸直後に雷に打たれ、緊急でモスクワの空港に引き返し着陸
- 着陸時に機体が炎上し、41名の死亡者を出す大事故となりました
- 設計的には雷に耐えうる構造でしたが、緊急着陸時の速度や操縦対応も複合要因となりました
2. 一般的な多数の無被害事例
- 多くの航空機は、年間を通して雷に打たれても問題なく運航を継続
- パイロットや航空会社が事前に気象リスクを最小限に抑える運航計画を立てています
このように、「雷に打たれても問題ない」ケースが大半ですが、まれに事故につながる事例も存在します。
そのため、過信せず、常に最悪の事態も想定した設計と運航がなされているのです。
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飛行機はどうやって雷を避けているの?
🔹 気象レーダーとフライトプラン
- パイロットは出発前に気象情報を詳細に確認し、雷雲を避けるルートを選択します。
- 飛行中も気象レーダーで雷の発生を監視し、必要に応じて進路変更することでリスクを減らします。
🔹 それでも打たれるのはなぜ?
- 雷は強力な電磁気現象であり、時には雲の中の帯電に引き寄せられて飛行機が起点になることもあります。
- それでも機体にダメージが残りにくいように、あらゆる角度からの放電を想定した設計がなされています。
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まとめ:雷は想定内。現代の飛行機はそれを前提に安全設計されている
飛行機は雷にも耐えられることがわかりましたが、
実は他にも「ドアが開いたら?外に出たら?墜落は?」などの疑問を持つ方が多いです。
そんな飛行機に関する不安をまとめて解消できる記事はこちら
👉 飛行機に関する不安や疑問をまるっと解決!仕組み・安全・環境の豆知識まとめ
- 飛行機は年に1〜2回、雷に打たれるのが普通
- しかし、機体構造や電子保護がしっかりしているため、安全に着陸できる
- 重大事故に至ることはまれだが、リスクはゼロではないため、日々の対策と改良が続けられている
- パイロットも雷雲を避ける工夫をしており、万が一の際も冷静に対応可能
「雷に打たれる=即トラブル」というわけではありません。
現代の航空機は、自然現象に対しても万全の備えがされているのです。安心して、空の旅を楽しんでください。