「水は身体にいい」とよく聞きますが、実は水の“pH値”にも注目すべき理由があるのをご存知でしょうか?
健康意識が高まるなか、アルカリイオン水や酸性水などさまざまな水が出回っていますが、「本当に体にいいの?」と疑問に思う人も少なくありません。
この記事では、
- pH値とは何か
- pHの違いで健康にどんな影響があるのか
- 自宅でpHを測る方法
- 安全な飲み水とはどんな水か
についてわかりやすく解説します。
また、災害時や自然の中で「この水は飲めるのか?」と迷ったときの参考になる内部リンクもご紹介します。
結論:中性に近い水が最も安全。極端な酸性・アルカリ性は避けるのが基本
私たちの体は弱アルカリ性(pH7.35〜7.45)で保たれており、水もそれに近いpH6.5〜8.5の範囲内であれば安全とされています。
極端な酸性水やアルカリ水を日常的に飲むと、体のバランスが崩れる恐れがあるため、pHが中性に近い水を選ぶのが基本です。
pH値とは?|水の「酸性・アルカリ性」のものさし
pH(ペーハー)値とは、水溶液の「酸性」または「アルカリ性」の度合いを0〜14で示す数値です。
- pH7:中性(最もバランスが取れている状態)
- pH0〜6:酸性
- pH8〜14:アルカリ性
飲料水や水道水のpHは、通常pH6.5〜8.5に調整されています。
たとえば、東京都水道局の発表では、東京の水道水はpH約7.5と報告されています。
水のpH値が健康に与える影響
少しの差では大きな問題は起こりませんが、pHが大きく外れた水を長期間摂取するのは危険です。
酸性水(pH5以下)の影響
- 胃酸過多を引き起こす可能性
- 歯のエナメル質が溶けるリスク
- 胃痛や胃潰瘍を悪化させる可能性
アルカリ性水(pH9以上)の影響
- 胃酸を中和して消化機能を低下させる
- 電解質バランスが乱れ、だるさや吐き気を引き起こすことも
ただし、多少pHが前後しても大きな問題になることは稀で、それよりも「清潔で安全な水」であることの方が重要です。
水の衛生状態が不安なときは、川の水を飲んではいけない理由と安全な飲み水確保法なども参考になります。
自宅でpH値を測る方法
「自分の家の水って大丈夫?」と思ったら、以下の方法で簡単にチェックできます。
1. デジタルpHメーターで測定
センサーを水に浸すだけで数値が表示される便利な測定器です。
校正用の液体が付属している製品を選ぶと精度も高くなります。
2. pH試験紙(リトマス試験紙)で測定
水に紙を浸して色の変化でpHを読み取る方法。安価で手軽ですが、精度はやや劣ります。
災害時などに備えて、試験紙を備蓄しておくのも安心です。
もしトイレの水を飲めるかどうか不安な場面では、トイレの水は飲める?災害時に知っておきたい水の安全性と確保方法も参考になります。
水の安全性はpHだけで決まらない
pHは重要な指標ですが、「安全な飲み水」かどうかは、他にも以下の要素があります:
- 塩素や細菌の有無(煮沸や浄水器で除去可能)
- 濁りや臭いの有無(異常があれば飲用は避ける)
- 水源の衛生状態(上流の環境が汚染されていないか)
河川の水についてさらに詳しく知りたい方は、川の水はどうして無くならない?わかりやすく解説もご覧ください。
pH調整された飲料水の落とし穴
市販の「アルカリイオン水」や「弱酸性水」は、健康効果をうたうものもありますが、基本的にはバランスのとれた食事と水分補給が大前提。
一部のpH調整水は以下の点に注意が必要です:
- 一時的な胃腸の不調を和らげる効果はあるが、飲みすぎは逆効果
- 健康食品的な効果はあくまで補助的と考えるべき
- 高齢者や持病のある方は医師と相談のうえ使用を検討
まとめ:水は「中性〜弱アルカリ性」がベスト。簡単に測って安心を
水のpH値は、私たちの健康と密接に関わっています。
家庭の水が「中性〜弱アルカリ性」に保たれていれば、ほとんどの場合問題はありません。
しかし、災害や旅行先で水の安全性が心配なときには、自宅で簡単にpHをチェックできるアイテムを活用してみてください。
水に関する基礎知識は、日常の健康管理だけでなく「もしもの備え」としても役立ちます。