水は私たちの生活に欠かせない存在ですが、その性質の一つであるpH値について深く理解している人は多くありません。今回は、水のpH値が人体に与える影響と、自宅で簡単にpH値を測定する方法について詳しく解説します。
pH値とは何か?
pHとは、水溶液の酸性度や塩基性度を表す指標です。pHの値は0から14までの範囲で表され、7が中性、7未満が酸性、7より大きい場合はアルカリ性を示します。私たちが日常的に飲用している水道水のpH値は、通常5.8から8.6の範囲内に収まるように管理されています。なお、東京の水道水は、pH値約7.5と中性です。(東京都水道局)
水のpH値が人体に与える影響
飲料水のpH値が著しく酸性寄りや塩基性寄りに偏ると、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、非常に酸性の強い水(pH値が4以下)を長期的に飲用すると、胃酸の分泌が促進され、胃痛や胃潰瘍などの消化器系の問題を引き起こす恐れがあります。一方、高アルカリ性の水(pH値が9以上)を継続的に摂取すると、体内の酸塩基平衡が乱れ、代謝機能に支障をきたす可能性があります。
ただし、通常の範囲内でpH値が多少変動する程度であれば、人体への顕著な影響はないとされています。むしろ、水そのものを十分に摂取することが健康維持に重要だと言えるでしょう。
自宅で水のpH値を測定する方法
自宅で水のpH値を測定するには、以下の2つの方法が簡単で手軽です。
pHテスター(デジタルpHメーター)を使用する
市販のデジタルpHメーターを使えば、水に機器の電極を浸すだけで簡単にpH値を測定できます。価格帯は1,000円から10,000円程度まで幅広くありますが、家庭用であれば2,000円から3,000円程度のものでも十分な精度が得られます。使用前に機器の校正を行うことで、より正確な測定が可能になります。
pHテストストリップ(リトマス試験紙)を使用する
pHテストストリップは、水に紙を浸して色の変化を見るだけでpH値を測定できる簡易的な方法です。テストストリップは100円ショップでも手に入る手軽さが魅力ですが、デジタルpHメーターと比べると精度は劣ります。おおよそのpH値を知りたい場合に適しています。
まとめ
水のpH値は、私たちの健康に影響を与える重要な要素の一つです。安全で衛生的な水を飲用するためにも、定期的にpH値を測定し、異常がないかチェックすることをおすすめします。デジタルpHメーターやpHテストストリップを使えば、自宅で手軽にpH値を確認できます。
水は生命の源であり、その性質を理解することは健康的な生活を送る上で欠かせません。正しい知識を持ち、安心安全な水を選ぶことで、家族みんなの健康を守りましょう。