毎年5月12日は「看護の日」——でも、なぜこの日なの?「国際看護師の日」とどう違うの?
実はこの日、世界中の看護師にとっても、日本にとっても大きな意味を持つ記念日なのです。
この記事では、5月12日が「看護の日」になった理由、その由来、国際的な意味、よくある疑問をわかりやすく解説します。
なぜ5月12日なの?ナイチンゲールの誕生日が由来
5月12日は、近代看護の母・フローレンス・ナイチンゲール(1820年生)の誕生日です。
クリミア戦争で負傷兵の看護に尽くした彼女は、統計と衛生管理に基づいた近代的な看護の礎を築きました。
白衣・ランプ・誠実さの象徴とされる彼女の生涯に敬意を表し、世界各国でこの日を看護の記念日としています。
「国際看護師の日」と「看護の日」はどう違う?
名称 | 制定年 | 主体 | 目的・対象 |
---|---|---|---|
国際看護師の日 | 1974年(※ICNによる正式指定) | 国際看護師協会(ICN) | 世界中の看護職の貢献をたたえる |
看護の日(日本) | 1990年(制定)1991年(初実施) | 厚生労働省 + 日本看護協会 | 国民に看護の意義を広め、理解と関心を深める |
補足:国際看護師の日の歴史
- 1953年:アメリカの看護団体が「ナイチンゲールの誕生日を記念日に」とICNに提案
- 1965年:実際に初めて「国際看護師の日」として記念行事が行われる
- 1974年:ICNが正式に5月12日を「International Nurses Day」と制定
つまり、1950年代から始まり、1974年に公式化されたのが「国際看護師の日」です。
日本の「看護の日」はいつ、誰が決めたの?
日本では1990年、当時の内閣総理大臣・海部俊樹氏が「看護の日」制定を表明。
背景には、超高齢社会の進行を受けて、看護の重要性と看護職への理解促進が急務となったことがありました。
厚生労働省と日本看護協会が共同で普及・啓発活動を行い、1991年から「看護の日」として実施されるようになりました。
看護週間とは?
「看護の日」を含む1週間を「看護週間」と呼び、毎年5月12日を中心に全国の病院や施設でイベント・広報活動が実施されます。
看護体験セミナーやパネル展示、地域との交流行事などが開催され、看護に対する理解と関心を深める機会になっています。
よくある疑問にお答えします
Q. 「看護の日」は祝日ですか?
→ いいえ。記念日であり、国民の休日には含まれません。ただし、施設内での行事やメディアでの啓発は多く見られます。
Q. 海外でも5月12日が「看護師の日」なの?
→ 多くの国で5月12日=国際看護師の日として祝われていますが、「看護の日(Nursing Day)」という日本の制度は国内独自のものです。
Q. 看護師さんに何か感謝を伝えたい…どうすれば?
→ 特別なものでなくても、「ありがとう」の一言やメッセージが看護職の方々にとって大きな励みになります。
「看護の日」に私たちができること
- 身近な看護師さんや医療従事者に感謝を伝える
- 医療現場のリアルを知る(書籍・映像・記事など)
- 介護や在宅ケアに関心を持つ
- 将来のキャリアや子どもの進路として「看護」を知る
「誰かを支える仕事」に注目が集まる今だからこそ、看護に対する理解を深めることは社会全体の支えになります。
まとめ:5月12日は、看護に敬意と感謝を伝える日
- 5月12日はナイチンゲールの誕生日にちなんだ記念日
- 国際看護師の日(ICN)と、日本の看護の日(厚労省・日本看護協会)が重なる特別な日
- 看護師への感謝だけでなく、国民全体で看護の意義を考える機会
- 「ありがとう」の気持ちを伝えるだけでも意味がある
未来の看護を支えるのは、現場だけではありません。
「看護に関心を持つ人」が増えることで、支える力が生まれます。
5月12日、ほんの少しだけ“ありがとう”を伝えてみませんか?