「世界で一番大きいダイヤモンドって、どれくらいの大きさなんだろう?」
先日、ボツワナで2492カラットもの巨大ダイヤモンド原石が発見されたというニュースを見て、そんな疑問が頭に浮かびました。
実は私も子どもの頃、サービスエリアで売られていたキラキラの鉱石をねだった思い出があります。
あの頃は宝石の重さなんて気にしたこともありませんでしたが、今考えると、自然が生んだ鉱物の神秘って本当にすごいですよね。
今回は、史上最大のダイヤモンド「カリナン・ダイヤモンド」について、大きさ・発掘地・価値まで分かりやすく解説します。
結論:史上最大のダイヤモンドは3106カラット、現在も記録更新されていない
カリナン・ダイヤモンドは、1905年に南アフリカで発見された3106カラットのダイヤモンド原石で、今なお世界最大の記録を保持しています。
この大きさは、重さにすると約621グラム。野球ボールと同じくらいのサイズです。
2021年にボツワナで発見された2492カラットの原石と比べても、まだ600カラット近く大きいという圧倒的な存在感です。
発見の背景:1905年の南アフリカ・プレミア鉱山での奇跡
カリナン・ダイヤモンドが見つかったのは、南アフリカのプレミア鉱山(現:カリナン鉱山)。
発見されたのは1905年1月26日で、鉱山監督のフレデリック・ウェルズによって偶然発見されました。
発見当時の状況は次のように伝えられています。
- 表面近くの壁に何か光るものを見つけた
- ナイフで削ってみると巨大な透明結晶が出現
- 重さと透明度から「本物のダイヤ」と確信される
当時の採掘技術や流通経路を考えると、これほどの原石が無傷で発見されたのはまさに奇跡です。
名称の由来とその後の流れ
発見者のウェルズは、このダイヤモンドを鉱山所有者だったトーマス・カリナンに敬意を表して「カリナン・ダイヤモンド」と命名。
その後、イギリス国王エドワード7世に贈呈され、イギリス王室の宝物となります。
分割と加工:世界に名だたる9つの宝石へ
この原石は、オランダ・アムステルダムの名工アッシャーによって慎重に9つの大きな宝石と96個の小さな宝石にカットされました。
最も有名なのが以下の2つです:
- カリナンI(アフリカの星):530.2カラット。現在、イギリス王冠の先端に装飾。
- カリナンII:317.4カラット。英国王室の王笏(杖)に装着。
そのほかの宝石も王室のブローチやジュエリーに使われています。
カリナン・ダイヤモンドの価値はどれくらい?
正確な価値は公表されていませんが、発見当時の価値は約750万ポンド(当時のレートでおよそ10億ポンド、約1900億円)と推定されています。
ただし、これは原石の価格。カットされた宝石の芸術性・歴史的価値・王室ゆかりの品というプレミアを考慮すると、現在の市場価値は数千億円〜計測不能レベルとされます。
関連知識:宝石とギネス記録
カリナン・ダイヤモンドはもちろんギネス世界記録にも登録されています。
ちなみに、ギネス記録に申請するには費用がかかること、ご存じですか?興味のある方はギネス記録の申請方法と報酬の仕組み解説もご覧ください。
まとめ:世界最大のダイヤモンドが語る自然の奇跡
いかがでしたか?
カリナン・ダイヤモンドは、その大きさや価値だけでなく、発見から加工、王室への献上まで、あらゆる面で「宝石の王様」と呼ぶにふさわしい存在です。
ボツワナで見つかった2492カラットの原石もすごいですが、カリナンの記録を超えるにはまだまだハードルが高そうですね。
子どもの頃に集めた小さな石も、こうした自然の驚異につながっていると思うと、身近な鉱物にも新たな価値を感じられそうです。
次に小石を拾ったとき、それが地球の何億年もの歴史を経た結晶かもしれない、と思ってみてください。世界最大の宝石も、最初は小さな粒だったのですから。