「日本ってなんでこんなに治安がいいの?」
その背景には、銃の存在感の小ささがあります。実は、日本の銃の所持率は世界でも圧倒的に低い水準にあり、日常生活において一般市民が銃を見ることすら稀です。
この記事では、日本の銃所持率の実態と、それがどれほど世界的に特異かを他国と比較しながら解説します。
結論:日本の銃所持率は、世界で最も低水準のひとつ
スモール・アームズ・サーベイ(Small Arms Survey)2017年版のデータによれば、日本の人口100人あたりの民間銃器数はわずか0.3丁。
これは、世界平均の6.6丁を大きく下回り、アメリカの約400分の1という驚異的な数字です。
各国の銃所持率を比較してみると…
国名 | 人口100人あたりの民間銃器数 |
---|---|
アメリカ | 120.5丁 |
カナダ | 34.7丁 |
ドイツ | 19.6丁 |
オーストラリア | 14.5丁 |
イギリス | 4.6丁 |
韓国 | 0.7丁 |
日本 | 0.3丁 |
この表を見ると、日本の数値が他の先進国と比べても極端に低いことがはっきりわかります。
なお、一見銃社会に思えないフィンランドが実はかなり高い所持率を持つ国であることも見逃せません。詳細はこちらで紹介しています:
👉 フィンランドの銃の所持率が高い理由と他国との比較
日本の銃規制はなぜここまで厳しいのか?
● 所持できるのはごく一部の目的のみ
日本では銃を所持できるのは、主に以下のような場合に限られています:
- 狩猟
- 射撃競技
- 一部の職業(警備・警察など)
それ以外の目的で銃を持つことは、基本的に法律で禁止されています。
● 許可取得のハードルが非常に高い
- 厳格な身元調査(前科、借金、精神状態など)
- 銃の保管用ロッカー設置義務
- 弾薬と銃の別保管
- 定期的な更新・再試験
これらをクリアしてようやく「合法所持者」として認められるのです。
銃所持率と治安の関係
● 日本の銃犯罪発生率は極めて低い
警察庁の統計でも、銃器による殺人事件は年間数件程度。
発砲事件の報道があると「日本で?」と驚かれるほどの頻度です。
● 銃社会のリスクが低いからこその「安心感」
- 公共空間での緊張感がない
- 警官が銃を抜く場面も極端に少ない
- 学校や駅などの公共施設でも銃による事件がほぼ皆無
一方、銃所持が広く認められている国(例:アメリカ)では、銃犯罪や大量発生事件が深刻な社会問題となっています。
銃規制と文化の違いをどう見るか?
銃社会は必ずしも「危険」であるとは限らず、その国の歴史・文化・地理・法制度が大きく関係しています。
たとえば、アメリカでは憲法で「武装の権利」が明記されており、銃がアイデンティティの一部になっている側面もあります。
逆に、日本では「銃がなくても守られている社会」が長く続いてきたため、銃なしでも安心できる環境が“前提”になっているのです。
まとめ
- 日本の銃所持率は0.3丁/100人と、世界的にも最小レベル
- 厳格な許可制と管理制度が背景にあり、一般人が銃を持つことは極めて稀
- 治安の良さとも密接に関係しており、発砲事件の発生はほぼゼロに近い
- 各国の制度や文化によって、銃に対する考え方は大きく異なる
銃社会を「持つか・持たないか」という二元論ではなく、それぞれの国の事情と文化を踏まえて理解する視点が求められる時代です。