「たった1週間寝ていただけなのに、足がふらふらする……」
そんな経験をしたことはありませんか?実は、人間の筋肉は使わないだけで想像以上に早く衰えていきます。そしてこの現象は、私たち人間だけでなく、愛犬にも起こるのです。
この記事では、寝たきりがもたらす筋力低下の実態を、「人間」と「犬」の両面から徹底的に解説します。加えて、予防やリハビリの具体的な方法、正しい栄養の摂り方など、すぐに役立つ情報も盛り込みました。
結論:筋力は驚くほど早く落ちる。特に犬は人間よりも速い可能性も
人間では、寝たきり1週間で筋力の約10〜15%が失われるとされており、高齢者ではこのスピードがさらに加速します(出典:厚生労働省「介護予防マニュアル」)。犬の場合も、不動状態が続くと2週間で20〜30%の筋肉量が減少したという報告があり(例:Journals of Veterinary Science, 2020年論文)、衰えのスピードは人間以上とも言われます。
大切なのは「放置しないこと」。早期の運動や栄養補給によって、筋力低下の悪循環を断ち切ることが可能です。
なぜ寝たきりで筋力が落ちるのか?そのメカニズムを解説
- 不使用性萎縮(使わないことで筋繊維が減少)
- 筋肉は「使わない=不要」と判断され、エネルギー節約のために分解が始まります。
- 栄養の不足
- 食欲が落ちやすく、タンパク質が不足すると筋合成が阻害されます。
- ホルモンバランスの変化
- 成長ホルモンやテストステロンなど筋肉維持に関わるホルモンが減少しやすくなります。
人間でも犬でも、これらの要因は共通です。
実例でわかる!人間と犬の筋力低下スピードの比較
人間の場合:1週間で10〜15%減少
筆者は過去に足を怪我して2週間ほど寝たきりになった経験があります。その後、立ち上がるだけでも息が切れ、階段は手すりなしでは登れないほどでした。
特に高齢者では、1週間の安静で歩行困難になるケースも多く、認知症のリスクとの関連も指摘されています。
犬の場合:2週間で20〜30%の筋肉減少も
筆者の愛犬(大型犬)が後脚を骨折して安静を余儀なくされたとき、2週間後には明らかに筋肉が落ち、歩くだけで疲れてしまう状態に。
獣医師の話によると、犬は人間よりも筋肉の量が多いため、使わないことで一気に痩せてしまいやすいそうです。
回復のカギは「栄養」「運動」「タイミング」
1. 栄養面でのサポート:タンパク質が最重要
筋肉をつくる材料となるタンパク質の摂取は欠かせません。具体的には:
- 鶏むね肉、卵、豆腐、納豆など
- 体重1kgあたり1.0〜1.5gのタンパク質を目安に摂る(出典:日本人の食事摂取基準2020年版)
高齢者やリハビリ中の方は、通常よりも多めに摂ることが推奨されます。筋肉と栄養の関係については、魚の栄養と健康効果も参考になります。
2. 軽い運動とリハビリ:できる範囲で動かす
寝たきり中でもできる運動例:
- 足首を上下に動かす
- 太ももに力を入れて5秒キープ
- ベッド上での膝の屈伸
犬の場合も、獣医の指導のもと、散歩前にストレッチをしたり、簡単な筋力回復運動を取り入れると効果的です。
3. 物理療法:マッサージや電気刺激
整形外科やリハビリ施設では、低周波治療器などを用いて筋肉に刺激を与える療法が行われています。自宅用のEMS機器も市販されています。
ペット向けのハイドロセラピー(温水プールでの運動)も一部の動物病院で実施されています。
寝たきり筋力低下の兆候と早期対策のポイント
以下のような兆候があれば、すぐに医療機関や獣医に相談すべきです:
- 人間:
- 立ち上がるとふらつく
- 食欲不振が続く
- 尿・便の回数が急に減った
- 犬:
- 散歩中すぐに座り込む
- 階段を嫌がる
- 寝たままの姿勢で動こうとしない
まとめ:寝たきりは一過性でも油断は禁物
たとえ数日でも寝たきりになると、筋力は急速に落ちます。高齢者や動物では、**「1日でも早いリハビリ」**が、その後の生活の質を大きく左右します。
普段からの筋力維持と、いざというときの正しい知識が、あなた自身や大切な家族、そしてペットの健康を守ることにつながります。
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