「平均値と中央値って何が違うの?」「どっちを使えばいいか迷う…」
こんなふうに思ったことはありませんか?
たとえば、「この会社の平均年収は1,000万円」と聞いても、「本当にそれが普通なの?」と感じること、ありますよね。実はこの“モヤモヤ”、平均値と中央値の違いを理解するとスッキリ解消できます。
この記事では、
- 平均値と中央値の意味の違い
- それぞれが使われるシーン
- 実生活での使い分け方
を、身近な例とともにわかりやすく解説します。数字が苦手でも大丈夫。読むだけで「なるほど、そういうことか」と思えるはずです。
結論:外れ値があるなら「中央値」、全体傾向を見たいなら「平均値」
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
外れ値の影響 | 受けやすい | 受けにくい |
向いている場面 | 全体の傾向を把握したいとき | 典型的な値・実態を知りたいとき |
例 | テストのクラス平均点、気温など | 年収、家賃、不動産価格など |
平均値とは?全体をざっくり見るのに便利な指標
平均値(Mean)は、データを全部足して個数で割った数です。たとえば…
例:テストの平均点
生徒5人の点数が「70点、80点、90点、60点、100点」だった場合:
→ 合計400点 ÷ 5人 = 平均80点
これだけで「このクラスはまずまず優秀だな」と判断できますよね。
平均値のメリット
- データ全体の傾向がひと目でわかる
- 企業の業績や学校の成績、天気などの“ざっくり把握”に便利
平均値のデメリット
- 極端な値(外れ値)に引っ張られやすい
例:給料の平均値が高すぎる?
社員10人中、9人が月収30万円、1人が1,000万円なら:
→ 平均は127万円。でも9割の人は30万円…なんかズレてますよね。
中央値とは?典型的な値を知りたいときに頼れる存在
中央値(Median)は、データを小さい順に並べたときの真ん中の値です。個数が偶数なら中央2つの平均を取ります。
例:100m走のタイム
5人の記録が「12秒、12.5秒、13秒、13.5秒、20秒」のとき
→ 中央値は真ん中の13秒
20秒という極端な値があっても、中央値は冷静。現実に即した「平均的なタイム」と言えるでしょう。
中央値のメリット
- 外れ値の影響を受けにくい
- 実態を反映しやすく、誤解を生みにくい
中央値のデメリット
- 全体の合計やばらつきは把握できない
- 小規模なデータでは極端にずれることも
例:読書量のばらつき
夏休みに読んだ本の冊数が「0, 1, 2, 2, 2, 3, 3, 3, 3, 50」
→ 中央値は3冊。でも50冊読んだ子もいれば、0冊の子もいる。中央値だけでは全体像がつかみにくいのです。
平均値と中央値、実際はどう使い分ける?
以下のような視点で考えると、どちらを使うべきか判断しやすくなります。
異常値(外れ値)があるか?
- あり → 中央値
→ 年収、不動産価格、SNSのフォロワー数など - なし → 平均値
→ テスト点数、温度、作業時間など(分布がなだらかな場合)
目的は「全体把握」か「実態把握」か?
- 平均値:組織全体の業績や生産性など、「ざっくりした傾向」を知りたいとき
- 中央値:実際の多くの人がどのくらいなのか、「リアルな中間層」を知りたいとき
よくある「平均値のワナ」には注意
テレビやニュースで「平均年収◯◯万円」と言われても、それが高すぎたり低すぎたりすること、ありますよね。
たいていの場合、そこに“外れ値”が混じっています。
たとえば、不動産広告で「この地域の平均価格は8,000万円!」
→ 実際は庶民向けの家が5,000万円前後なのに、数件の豪邸が平均を引き上げているだけ…なんてことも。
そんなときこそ、「中央値は?」と疑ってみる視点が大切です。
数字が苦手な人でもわかる本もおすすめ
平均値と中央値の違いに限らず、「統計」そのものがなんとなく難しい…と感じている方も多いと思います。そんな方には以下の本がぴったり。イラストと会話形式で、数式に抵抗のある人でもスイスイ読めます。
まとめ:違いを知って“使い分け”ができれば怖くない!
視点 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
計算方法 | 合計 ÷ 件数 | 小さい順に並べて真ん中 |
外れ値への強さ | 弱い | 強い |
向いている場面 | 全体傾向を知りたい | 実態・中間層を知りたい |
よく使われる例 | 気温、テストの平均点 | 年収、家賃、不動産価格 |
平均値と中央値の違いがわかると、数字の“裏の意味”が見えてきます。
今後ニュースやデータを見たときに、「これは本当に信頼できる数字か?」と考えるヒントになるはずです。